成長 - 凍りのくじらの感想

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小説レビュー数 3,368件

凍りのくじら

2.332.33
文章力
3.17
ストーリー
2.50
キャラクター
2.83
設定
2.50
演出
3.00
感想数
3
読んだ人
3

成長

3.53.5
文章力
3.5
ストーリー
4.0
キャラクター
3.5
設定
4.0
演出
4.0

藤子・F・不二雄先生の描くドラえもんワールドとのリンクと言うことで手にとったこの作品。 これはある少女の成長期である。いやこの物語からすると育て上げられた、といった表現が正しいのか。主人公は悪く言えば、特に何もしていない導かれているのだ。 それと少し、「幼さ」というものを感じた。それは作者も含めて、だが。もちろん幼稚という意味ではない発展途上と言う意味での幼さである。まず主人公は高校生で…高校生らしいといえばそうなのかもしれないが… この物語は主人公に対してどのような目線で見るかで大きくかわるかと思われます。客観的なのか、主観的なのか。もし後者であるならばラストは心動かされるものになるでしょう。そのようなレトリックが多く含まれているから。もし前者であってしまうなら…途中で本を閉じてしまう人もいるかもしれない。 けして私はこの物語を批判しているわけではない、むしろ私は好きである。もちろんそのところは私の幼さを認めなくてはいけないのだろうが笑 読んでほしい人はもちろん高校生である、国民的アイドルドラえもんの字を帯にしたこの本はおよそあまり本を読んだことの無い高校生でも手にとりやすいだろうし、きっと読んでみてもっとこの人の物語を、そしてもっと本を!となってくれるであろう予感すらする。そういう意味でも辻村氏が文壇降りたことは今の高校生達に良い影響を与えてくれているに違いない。

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他のレビュアーの感想・評価

最後まで主人公のことが好きになれなかった作品

初めて読んだ辻村深月辻村深月を知ったのは「時の罠」というアンソロジーで、そこに書かれたタイムカプセルの話が面白かったので、他の作品も読んでみようと思ってこの「凍りのくじら」を手に取った。タイトルにも心を惹かれたし、何より始まり方がだんだんと死にいくクジラの描写だったので、この先の暗さと重々しさを予感させ、期待して読んでいった。しかし気を惹かれたのはこの部分だけで、冒頭部分、主人公の芹沢理帆子のインタビュー部分はなぜか文章がまったく頭に入ってこなかった。文章が悪いというわけではないのだろうけど、なぜかまったく文章が頭で映像化されないのだ。結果、同じところを何度も読み、嫌になって次目を惹く文章まで読み飛ばすということになってしまった。インタビューの後は理帆子の高校生活の話になる。そこあたりからはまあまあ読むことができたので少しほっとした。キーワード「ドラえもん」この作品のキーワードは「ドラ...この感想を読む

1.51.5
  • miyayokomiyayoko
  • 1798view
  • 3378文字
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