かもめ食堂のあらすじ・作品解説
「かもめ食堂」は2006年に群ようこが同名タイトルの映画のために書き下ろした作品である。1984年に単行本「午後零時の玄米パン」を発売し、作家デビューした群ようこの作品は軽妙な語り口の文体で主に女性から支持をうけている。 映画では監督に「バーバー吉野」の萩上直子。出演はテレビドラマ、映画、舞台など話題作に数多く出演しながらもエッセイストとしても活躍している小林聡美。映画「3丁目の夕日」「めがね」でも個性的な演技で話題になった、もたいまさこ。「小野寺の弟・小野寺の姉」で2013年舞台版に続き2014年の映画版でも主人公の姉弟を演じた唯一無二の個性派女優、片桐はいり。 サチエがフィンランドのヘルシンキでたった一人で始めた食堂。しかし、なかなか客は増えず、唯一の常連客は日本オタクの青年ただ一人。しかし、その青年がきっかけでミドリは店を手伝うようになり・・・・・。その日から次第に「わけあり風」な人々が集まり、交流が始まる。 ごく普通の人達の日常をゆったりまったりと描きく心が温まるそんな作品である
かもめ食堂の評価
かもめ食堂の感想
テキトーに何回でも読める気楽さ
再読して1.3倍面白く読める豆知識本作品、同名の映画があったことは知っているが見たことはない、という状態で小説を手にした。読んでから知ったのだが映画用に書き下ろした小説、という位置づけらしい。そのせいか、映画と小説、どっちが先でも大した違和感はない。人気小説の映画化、なんてことになると原作との相違点、とか調べたくもなるが、まあそういう背景だし、そもそも気楽な話だから、考察とか考えずにここが良かった、ここはどうかな、と読んだ人、見た人と気楽に話すのが良いと思う。フィンランド舞台だけど情景描写あんまり無いな、と思ったら・・・映画試写会の群ようこ氏のコメントによると「フィンランドに一度も行かぬまま書き上げてしまって。私の唯一の汚点です(笑)」だそう・・・映画見てないけどこの小説好き、という方は見ていただきたいくらい、映画では何気なくではあるがフィンランドの美しい風景も描写されている。小説は情...この感想を読む
フィンランドにいきたい。
映画にもなってとても有名なかもめ食堂。映画もスローで落ち着くかんじだったけど、小説もそんなかんじ。日本人の女性がフィンランドでご飯屋さんをひらくというはなし。どんどん同じ日本人女性の仲間があつまってくる。最初はお客さんもいないんだけどどんどん街や人にもなじんでくる。アニメオタクのトンミがすき。海外に出て親日家のアニメオタクに会うとすごく安心するあの感覚がよみがえる。精神的な余裕がなくなってきたときに、ぜひ読みたい小説。とにかくゆったりと時間が流れていて、せくせく働いて生きてる都会人のこころの癒しになれると思う。こういう人生もいいなあ。
先に映画を見たけれど…原作の小説も良いですね。
映画「かもめ食堂」を以前見た事があって、大好きな映画だったので、親しみと興味があって、手に取った本です。なので、主人公のサチエは、想像上でも、小林聡美さんで、くるくるとかもめ食堂を切り盛りしているイメージのままでした。サチエの、かもめ食堂の運転資金の謎や、生い立ち、なぜフィンランドに来たか、の謎が解けて、読んでスッキリしました。他の登場人物(日本人女性)達、ミドリとマサコもそれまで、どういう生活をしていたのか、というのがわかって、これもスッキリしました。映画であまり描かれていなかった、細かいところがわかる事って、嬉しいのですね。小説、映画、どちらを先に読んでも、見ても、のんびり、ゆったりした感じがよく出ていて、お勧めです。