告白のあらすじ・作品解説
『告白』は、双葉社によって2008年8月5日に発行された、湊かなえの小説である。湊かなえのデビュー作となる本作は、2008年度の週刊文春ミステリーベスト10で第1位、2009年には本屋大賞を受賞し、さらに2010年8月に発売された文庫版は2010年9月13日付のオリコンランキング文庫部門にて歴代1位になるなど、高い評価を得ている作品である。累積売上は2013年8月時点で254.4万部を超えており、長い人気を誇る作品でもある。 ある中学校の教師である森口悠子には一人娘がいたが、数か月前、娘が中学校のプールで死んでいるのを発見した。娘は事故死と判断されたが、森口は、自分の担任しているクラスの生徒2人によって殺されたのだとクラスメイトに告発し、その2人に復讐を仕掛けていくという物語である。 2010年6月には、松たかこ主演により映画化もされており、第34回日本アカデミー賞では4冠を達成、さらに2010年度に日本で公開された日本映画の興行収入成績では第7位になるなどの大ヒットを収めた。
告白の評価
告白の感想
連鎖
雑誌の連載作品で作者は第一話を短編として書き上げたようです。確かに二度目を読んでみると一話目はすばらしいできとなっています。いや正確に言うと一話でこの物語の骨子を描き二話目以降に真相、心理が深く掘り下げられているようなつくりになっている。映画化されたものも拝見しましたが、やはり陰鬱なイメージは拭われずそして誰も救われない。しかし面白いんです。それはこの物語の持つ陰鬱だけならぬ雰囲気、どこかひどく現実味を帯びたものが私達を襲います。登場人物はかなしながら全員が全員自分のことしか考えておらず所謂自己中心的で、しかしそれこそが人間の本質なのだろうか。という風に強く思わせる作品でした。事件はひとつ、ひとつと積み重ねられていきます、そして迎えるラスト。終わっても誰も、救われない。ミステリーとして非常に質の高いものとなっており、いきなり一話からとてつもない筆力を感じさせられました。本屋大賞受賞との...この感想を読む
誰も救われない
この人の作品は、いつも思うのですが読んだあとモヤモヤ感と後味の悪さが半端ないです・・・ そこを理解して読まないと、あとで非常に後悔し精神的にやられますので気をつけてください。 この本も、そうきたかって感じです。 まず、エイズの血液を牛乳に入れるとか、異常極まりないところから始まります。 本当に洒落にならない気持ちの悪さですが、もっと異常な少年はそのことに動じません。 一人は精神的におかしくなってしまいましたが、人間て本当に恐ろしいなとよくそんな残酷なこと考えるなと嫌になります。 女教師も被害者ではありますが、仕返しにつぐ仕返しをする心は、最初からそういう人だったのではないかと思わせるほどです。人が悲しみに浸るとその行き着く先は憎しみと残虐性なのでしょうか。私はそれは嫌だなあ。 一番大事なものを一番大事なものでつぐなわせる。躊躇なく・・・ いや~怖いです。湊かなえさんに完敗です。
命の重さ。
タイトル通り、最初から最後まで、主人公の告白です。教え子に娘を殺されてしまった主人公が復習と、事の重大さを身をもってわからせる為に教え子を追いつめていく様子を最初から最後まで主人公の目線で、主人公の言葉で描かれています。大事な娘を殺されて、当の本人はそれに対し罪悪感がない、そんな子が、自分のしたことの重大さを知る・・ときにはもう遅い。正直、読んでいてスッキリする部分もありました。悪いことをしたら心から反省しなくてはいけない。それをわからせるとき、ちょとよし!と思ったのは事実です。でも、最後は・・・・本当にこれでいいのかな、とも思いました。