探偵ガリレオのあらすじ・作品解説
『探偵ガリレオ』は、東野圭吾による推理小説で、「ガリレオシリーズ」の第一弾の作品である。1998年に文藝春秋から出版された短編小説集である。テレビドラマ『ガリレオ』の原作である。この作品の次回作としては、『予知夢』が挙げられる。 5つの作品から成り、それぞれ、『燃える(もえる)』、『転写る(うつる)』、『壊死る(くさる)』、『爆ぜる(はぜる)』、『離脱る(ぬける)』という動詞の題名が付いている。作者の東野圭吾は、理系出身であり、どの物語も理系の知識を用いたトリックが謎をとくカギ握っている。警視庁捜査一課の刑事である草薙が、大学のサークル仲間であった湯川学にトリックの謎がわからない捜査への助言を求めた。そこで、帝都大学で物理学の研究をしている湯川が、物理学の知識を使い、実験を行ってトリックを見破るというストーリーである。このあと、長く続く「ガリレオシリーズ」の人間関係などの土台をつくった作品である。
探偵ガリレオの評価
探偵ガリレオの感想
面白さを伝える技術
言わずと知れた福山雅治主演だったドラマ・ガリレオの原作。ドラマを見て興味を覚えて本を購入した口だが、読めば読むほど東野圭吾の文章力の高さに脱帽する。この本はいくつかの話が集まった短編集だが、話によって書き方が変わる。一般人視点から始まったり、犯人視点から始まったり、一般人視点かと思いきやそれが犯人だったりと、実に巧妙な文章で書かれている。トリックの方は科学的なものばかりで、はっきり言ってその手の学はないのでどういう意味かちんぷんかんだが、読んでいると何となく「なるほどねぇ」と納得してしまう。普通、科学的な立証というのは目で実際に見たりしなければ分かり難いのだが、東野圭吾の文章は文字だけでも何となく浮かぶからだ。まさに彼による文字の魔法である。普段はライトノベル系を多く読むので、こういった本をたまに読むと「文章の難しさ」と「魅力」を強く感じる。絵も映像もなく、文字の羅列しかないというのに...この感想を読む
実におもしろくない
ドラマが大ヒットして一躍有名になった作品ですね。実に面白く無いです。基本的に話題作というのはなにかしら面白いところがあるものなのですが、全くありません。ミステリーを少しでもかじったことがある人ならば、トリックや犯人の設定などの稚拙さが気になりますし、科学的という触れ込みですが、科学的、論理的ではありません。まぁ、おそらくこれは今まで何も本を読んだり、科学に触れてこなかった何も知らない人しか騙せない作品です。文章も良くないです。原作には福山雅治は出て来ませんし、可愛いお姉ちゃんも出て来ません。そういうのを期待するのであれば、ドラマや映画を見たほうがいいと思います。久々に本当に実に面白く無い作品でした。
ガリレオの短編集!より科学色の濃い作品です!
ガリレオの短編集で、もう1つ「ガリレオの苦悩」がありますが、そちらは人間ドラマを中心に書いているのに対し、本作では科学の専門的知識がふんだんにちりばめられ、より科学色の濃い作品になっています。それ故に、科学が得意でない方は読み進めるのが難しいかもしれません。賛否両論の作品ではあります。ただ、私個人としては科学をずっと学んできていたので、非常に興味をそそられる難解トリックが多く出てきて楽しめました。確かに動機の深みだとか人間関係の複雑な絡み合いという演出が少なかったのは、短編集としての悪さが出てしまったのかもしれません。「ガリレオの苦悩」の前に本作を読むといいかもしれません。
探偵ガリレオの登場キャラクター
草薙俊平
よみがな:くさなぎ しゅんぺい 年齢(作品時):34 性別:男 所属:警視庁捜査一課 好きなもの:ジャイアンツ 愛車:黒のスカイライン 階級:巡査部長 出身大学:帝都大学社会学部 結婚:未婚 たばこ:喫煙者
湯川学
よみがな:ゆかわ まなぶ ニックネーム:ガリレオ先生 年齢(作品時):34 性別:男 国籍:日本 所属:帝都大学理工学部物理学科 第十三研究室 性格:社交的ではない 趣味:バドミントン 好きな食べ物:インスタントコーヒー 苦手なもの:子ども