冷たい校舎の時は止まるのあらすじ/作品解説

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冷たい校舎の時は止まる

4.304.30
文章力
4.37
ストーリー
4.67
キャラクター
4.67
設定
4.67
演出
4.37
感想数
3
読んだ人
3

冷たい校舎の時は止まるのあらすじ・作品解説

『冷たい校舎の時は止まる』は、第31回メフィスト賞を受賞した、辻村深月による記念すべきデビュー作である。 この作品は、雪の降っているある日の日常から物語が始まる。8人の高校生は普段通り登校するのだが、しかし何故か校舎に閉じ込められてしまう。そうして登場人物たちは、いつしか二ヶ月前のことを思い出すことになる。それは、学校祭の時に起きた、とある「事件」のことであった。 その事件の中で、ある一人の生徒が亡くなった。しかし、校舎にいる人たちは、「何故か」その生徒の顔も名前も思い出せない。 生徒たちは、閉じ込められた暗い校舎の中、その死んだ生徒が一体誰だったのかを推理してゆく……。 本作は、確かに一種のクローズド・サークルであるミステリーだが、舞台が高校であったり、学校祭での事件であったり、といったように青春要素を押し出しているのが特徴である。また、漫画化もされていることもあって、青春的であるということが窺える。

冷たい校舎の時は止まるの評価

総合評価
4.304.30
(3件)
文章力
4.374.37
ストーリー
4.674.67
キャラクター
4.674.67
設定
4.674.67
演出
4.374.37

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冷たい校舎の時は止まるの感想

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青春ミステリーの新たな金字塔

大学受験を控えた高校3年生の同級生が、突然校舎の中に閉じ込められる。どうやら、同じ学年の同級生が自殺したことに関係がありそうだが、その自殺した同級生の名前がどうしても思い出せない・・・ひょっとしてこのメンバーの誰かが自殺したのではないか?まさか自分はもう死んでいるのではないか?と疑心暗鬼になりながらも、謎を解き校舎の外に出ようとする高校生たちのミステリー小説です。「校舎の中に閉じ込められる」というシチュエーションだけで、これから何が起こるんだろう?とわくわくさせられます。登場人物全員が、「自殺した同級生はだれか?」という謎を共通で解き明かそうとしながらも、閉ざされた空間・閉ざされた人間関係の中では、おのずと自分を見つめなおすことになります。隠していた自分の弱さや、気づかずにいた心の傷、誰かへの想いを自覚する場面は圧巻で、読み応え十分です。少し大げさに描きすぎ?と思うような、良くも悪くも...この感想を読む

4.44.4
  • おみおみおみおみ
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  • 525文字

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