ゴールデンスランバーのあらすじ・作品解説
ゴールデンスランバーは2007年11月に新潮社から発行された、作家伊坂幸太郎を代表する小説作品のひとつである。東北仙台を舞台に、突如首相暗殺の濡れ衣を着せられてしまった主人公青柳の逃亡を描いた作品で、青柳の学生時代の友人や元恋人、サークルの後輩などに手助けしてもらいながら、このような事件に巻き込まれてしまった理由を紐解いていくストーリーである。物語の序盤から多くの伏線がちりばめられており、終盤すべてが繋がるという伊坂作品らしい展開である。 2008年に本屋大賞と山本周五郎賞を受賞、2009年には「このミステリーがすごい!」で1位となっている。その後本作は映像化され、2010年1月に公開された映画は興行収入11億5000万円のヒットを生み出し、さらにケータイ配信ドラマとして、映画のビハインドストーリーを全5話で配信、サウンドトラックCDが発売されるなど、多数のメディアにおいて展開された作品である。
ゴールデンスランバーの評価
ゴールデンスランバーの感想
伊坂ミステリ
一人の男が首相暗殺の濡れ衣を着せられていろいろな人に助けられながら逃亡劇を繰り広げていくお話です。物語の構成として現在と過去が交互に話され、その中で共通の人を通しつつ物語が展開していきます。第二部でもう一人の男が現れ真犯人かと思わせるようになっているがそこで話は二十年後にうつりそして事件の真相へと迫ると言う形になっている。しかしその構成があだとなり逃亡の疾走感がややかけているかと思われる。しかしやはり終盤は伊坂の才能を感じさせるところでたくさんのところにちりばめられた伏線が一つの大きな線となり色々な登場人物を巻き込みラストを迎えるところは見ものです!パズルのように作りだされる伊坂ミステリの中でもその特徴が顕著に現れた一冊だと思います。
伊坂ワールド全開
実際自分にこんなことがあったら怖いな~、と思いながら読みました。 総理大臣を殺した犯人にしたてあげられてしまった主人公が繰り広げる逃亡劇は圧巻です。物語の展開もお見事でした。 世の中何があるかわからないですし、日本は平和だと思っていますが、もしかしたらこんなことが起こるかも?と想像してしまいました。現実的ではないですが、小説なので楽しく読めました。 総理大臣暗殺の犯人として国中から追われることになるというお話ですが、表現のタッチや物語の展開が決して重苦しくなく、なんとなく楽しく描かれていて、うーんなんとも伊坂さんらしい作品だなあと思いました。
人と真摯な関係を築くことが自分を助ける。
突然、何の予告もなしに首相暗殺の容疑者にされてしまう主人公の青柳雅春。国家VS1個人。どう考えても助かりようがないのに逃げ果せてしまうのはやはり青柳が「いい人」だからの一言につきると思う。青柳は、友人や元カノ、元職場の同僚や、昔助けたことのあるアイドルなど今まで真摯に向き合ってきた人たちの力をかりてピンチを切り抜けていきます。途中、通り魔や入院患者など偶然に出会った人たちにも助けられるけれど何かしら彼が、いい人オーラを出していたのかも。テンポがよく、この先どうなるんだろうと一気に読めてしまいます。なぜ狙われることになったのか、整形をしてまで逃げて幸せなのかなど気になるところは残りますが、楽しめました。
ゴールデンスランバーの登場キャラクター
青柳雅春
よみがな:あおやぎまさはる 性別:男性 国籍:日本 特徴:当時のトップアイドルであった凛香を暴漢から助け出した 物語上での目的:逃亡 前職:宅配便のドライバー 生活:失業保険で生活している 現在:金田首相暗殺の濡れ衣を着せられる 現職:無職 数年前:一躍時の人となった