どんなに苦しくても生き延びる努力をしろ
宮部久蔵
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永遠の0は2006年8月に太田出版より発行された百田尚樹の小説作品である。放送作家として活躍していた著者のデビュー作でもある本作は、その後2009年に講談社文庫から文庫化されたことを機に徐々に話題となり、2013年には文庫版の販売部数が300万部を突破する大ベストセラー作品となっている。 2013年12月には映画が公開され、観客動員数700万人、興行収入86億円、歴代の邦画実写映画で6位にランクインするなどこちらも大ヒットを記録し、2014年に開催されたイタリアの映画祭ではグランプリを受賞するなど海外からの評価も高い映画作品である。 弁護士を目指していたが気力を失い、怠けた生活を送っていた26歳の健太郎が、フリーライターをしている姉、慶子に頼まれ実の祖父がどんな人で、どのような人生を過ごしてきたのか調査するうちに、戦争の悲惨さや無情さ、もたらしてきたことを知り、それが健太郎にどう影響していくのかがストーリーの要となっている。
本作はデビュー作とは思えないほど物語がよく描かれていて、戦争を知る人も知らない人もスムーズに物語に引き込まれていく作品です。終戦を目の前にして特攻で亡くなり、「臆病者」呼ばわりされていた主人公・健太郎の祖父・宮部久蔵という人物がいかなるものかが、読み進めていく内にだんだんと見えてきます。その深みある人間性が判明した途端に涙が流れてしまいました。また、戦争の歴史を知るのにも役立つ一冊で、より歴史を知りたいという衝動にかられてしまいます。戦争を描いた物語で、戦艦や武器の話も多いが、男性のみならず女性が読んでも十分に楽しめる作品だと思います。宮部が妻と娘に対する愛の大きさに大変な感動を覚え、涙が止まらなくなりました。
戦争について、改めて深く考えてしまいました。 タイトルに惹かれてなんとなく買った文庫本でした。しかし、買ったまますぐには読まず、本棚に並べておいたままでした。 あるとき、この本が100万部以上売れたというニュースを見て、本棚から取り出しました。 読み始めたら、最初から最後まで勢いに乗ってすぐに読み終えてしまいました。自分でもびっくり。 戦争で死んだ実の祖父の姿や、戦争で死ぬことが普通で、それが名誉なことだとされていた当時の日本が描かれていて、考えるべきことが多くありました。 わたしは戦争とは無縁の世代で、知識も浅いですが、当時のことを考えると胸が苦しくなりました。
最近本を読んで泣くことがなかったのですが、ひさしぶりに泣いてしまいました。戦争で亡くなった祖父を、孫の健太郎が祖父と関わった人たちに聞いていく。祖父の生き様を聞いていくうちに健太郎自身にも変化がおきていく。それぐらいのすごい生き様でした。戦争をしらない私にとって、戦争の現実を読むというのは衝撃でした。何百万人が亡くなり、その方たち一人ずつに家族がいたという悲しい事実。胸がしめつけられました。祖父の宮部久蔵が、健太郎と同じ26歳の若さで亡くなったと知ったときには、その若さでの思慮深さに感動しました。読み終わって、タイトルの「永遠の0」の意味が分かった気がします。
よみがな:さえきけんたろう 年齢(作品時):26歳 性別:男 国籍:日本 住まい:日本 所属:フリーター 性格:興味があることには積極的になれる 特徴:定職につかないでふらふらしていた 価値観:祖父の戦争の話をしろうとしている 物語上での目的:戦争の話をまとめ
宮部久蔵
自分の乗る飛行機が被弾したら自爆させて欲しいと言う部下に対して言った言葉
宮部久蔵
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永井清孝
主人公から零戦パイロットだった祖父についてインタビューを受けて。