鍵のない夢を見るの評価
鍵のない夢を見るの感想
小説の世界にどっぷりとつかる作品
自分自身が体験した錯覚を起こす「鍵のない夢を見る」はあたか自分が体験したかのように思ってしまう物語。5つの短編集からなりたっていてハッキリ言ってどれも救いがなく、大きな感動はない。どれも物語の基本は自分自身のいやな面を取り上げているため後読感は悪く、題名の通り悪夢をみて起きた感覚を思い起させる小説だと思います。ただし、小説の中に引き込む作者の力はすごいと思う。冒頭からグイッと読者の心をつかみ取り最後まで飽きさせない力がある作品。後読感が悪いというのも、他の小説だと面白くなかったということが先に立つのだが「鍵のない夢を見る」に関しては、この作品の力強さに自分の感覚が小説の中に入ってしまい、いやな体験をしてしまった事に通じる。また、作者が描く登場人物の描写が見事で、これらの人物を作り上げるために、どれだけの資料を集めて作っているのか、それとも自分の体験を元にして作り上げたのかを聞いてみたくな...この感想を読む
暗い暗すぎます。
この物語は、ちょっとしたきっかけで犯罪に巻き込まれてしまう女性たちの話。連作でもなく、一貫したテーマでもない短編集ですね。暗い話が続いていくため、暗いものが好きではない方はあまり読まない方が良いと思います。あとはダメ男が結構出てきますね。最初の章以外は全部だったかな。それぞれがそれぞれの人生を生きていて、若干イラッとくるところもありますが、読めないことはないですね。でもちょっと物足りなさを感じ、後味も悪いです。この本を読んだあとは、なんかこうパァーっと明るい話を読んだり見たくなってきます。ズズーンって感じに重いので読むときは注意が必要です。