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医師免許を持っている理屈屋で面倒で軽いノリの厚生省の役人・白鳥と、うだつの上がらない万年講師の主人公・田口が、病院内に起きた不可解な術死の謎に挑むというストーリーなのだが。 術死が起きているのは、とあるチームの行う手術ばっかり。 まぁ難易度の高いバチスタ手術を華麗な手技でこなし、驚異的な成功率を誇る名医・桐生の率いる「チーム・バチスタ」。 果たしてこの術死は、医療過誤なのか?それとも殺人なのか? 人は良いけど、全然冴えてない田口さんと、アグレッシブすぎる変人・白鳥さんという組み合わせはまあ、お約束といった印象(ワトソン君とホームズみたいな)。 少々回りくどい文体でテンポを抑えつつ、でも小気味良く書かれている。 自分は軽めの方が読みやすくて好みだが、重厚な話が好きな人には物足りないだろう。 しかし軽い中にも「死因不明」を見逃すなという作者の思いが強く伺える作品だった。 この作品を読むまで、死者にCTなんて考えもしなかったが、その必要性がよく分かった。 「チーム・バチスタ」のヒットから随分経つが、日本の死後診断事情は変わったのだろうか?
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