海堂尊氏デビュー作
今や広く名前の知れた小説家の1人である海堂尊氏のデビュー作。
海堂尊氏はデビュー当初、自分はまだ小説家ではなく物書きです。と後書きで言っていたのを今でも覚えています。
十冊以上書いてこそ、小説家と名乗れるとも書いていました。
今や名実ともに小説家と堂々と名乗れるくらいの先生になったでしょう。とデビュー作から読んできた1人のファンとして嬉しいものです。
デビュー作を振り返ってみますと、海堂尊氏の特徴として、とても読みやすい作品に仕上がっていると私は思っています。
小難しい言い回しではなく、あくまで想像しやすい言葉を選んでいるのではないでしょうか。
これも文学にどっぷり浸かった作家ではないからこそではと思っています。
あとは登場人物のキャラが立ってると言いますか、とても印象深い人物が多く出ていますね。
読んだのは数年前ですが、どんな人物がいたのか今でも鮮明に覚えております。
恐らく、海堂尊氏の作品の特徴として登場人物にニックネームが付いてることが、記憶に残るのに一役買っているのだと思います。
人間はいくつかの事柄を同時に記憶する時に、何かしらのイメージと結び合わせると憶えやすくなると聞いたことがあります。
病院を舞台にミステリーを絡めるとなると、登場人物が増えてしまうのは致し方ないことです。
だからこそ、ニックネームを付けることによって、それぞれの人物を生かし、読者の記憶に残そうとした。
登場人物一人一人への筆者の愛情がすごく感じられる作品であると、私は考えております。
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