田口先生、最高です!!
ドラマや映画になった、白鳥&田口ミステリーの1作目上巻です。この巻では、まだ白鳥さんは出てこないのですが、その分、田口先生の魅力が満載です。『グチ外来』と陰口をたたかれる『不定愁訴外来』を担当する、窓際万年講師の田口医師が、病院長からいきなり、大学病院のエース、チーム・バチスタの手術中死の原因を調べるよう、依頼されることから物語が始まります。しかし、田口先生は、血を見るのが嫌で、卒業後ずっと外科分野から遠ざかってきたという外科音痴。しかも、陰謀などとは縁のない、のんびりが好きな性格。ただ、人の話を聞くのがものすごく上手で、自分でも気づかないうちに、違和感のある点を直観する能力もあって、ワトソン役にはぴったりなんです。小説では、ドラマや映画より田口先生の心の動きが鮮明にわかって、『こんなこと、考えていたんだ』などと、違ったおもしろさがあります。もちろん、大学病院の内情、手術室という密室、謎の連続手術中死などがきっちり書き込まれた上質のミステリーなので、映画やドラマを知らない人も、しっかり楽しめます。上巻を読めば、下巻が読みたくなること間違いなしです!
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)