カフーを待ちわびての評価
カフーを待ちわびての感想
不思議にリアルを感じる、大人のおとぎ話
いかにも小説、な設定なんだけど抗えないある日突然、見ず知らずの女性が嫁にやってくる。一昔前ならいざ知らず、現代ならあり得ないような設定で話が始まる。あらすじを全く知らずに読み始めたから、最初はのどかな南の島の日常が綴られて行くだけの物語かと思っていて、突然の急展開に驚いてしまった。そして、うまい設定を考えたなぁと感心した。ものすごく続きが気になる。絵馬に書いたメッセージを読んだ超美人が訪ねてくるなんて、いかにも作り物のお話という感じで、読まされてしまうのは釈なんだけれども、それでも読んでしまう。小説は虚構であるということを全然隠さずに、物語を物語として楽しませてくれるのが原田マハの魅力だ。生き生きと動く登場人物が魅力そんな無茶苦茶な設定から始まるのに、その後の物語は意外なほどあっさりしている。とんでもないことが起こったはずなのに、淡々と日常が続いていく。ヒキの強いドラマ仕立てかと思った...この感想を読む
上質なラブストーリー
沖縄の与那喜(よなぎ)島を舞台にした上質なラブストーリー。はじまりは、旅行先で明青が絵馬に書いた「嫁にこないか。 幸せにします」という言葉。やがて「絵馬の言葉が本当なら、私をお嫁にしてください」と幸という女性から届く手紙。明青のもとにころがりこんできた、ミステリアスな幸にどんどん惹かれていく明星・・ラストは泣いてしまいました。独特の生活感に、風習などの描写、そして行間が空いているのがストーリーと同じくゆったりと、やわらかい風を感じて沖縄にトリップしてるような気分になりました。カフーとは果報のこと。与那喜島の方言だそうです。映画化されているので、映像でも楽しんでみたい作品です。