リア王のあらすじ・作品解説
「リア王」は、1604~1606年頃に執筆されたとされる、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲である。 ブリテンの王である主人公のリアには、3人の娘がいて、この3人の娘に国を分割して与えようとする。長女と次女は父親に巧みにとりいるが、三女のコーディリアだけは父親のご機嫌をとろうとはしなかった。コーディリアの態度に腹を立てた彼は、彼女を勘当し、国を2分割して長女と次女に与えることにする。しかし、長女と次女は父親を裏切り、彼は国を追放されてしまう。勘当された三女のコーディリアは、その頃フランス王妃となっていて、父親を助けようとするが、やがて捉えられ殺されてしまう。そして、長女と次女の甘言に騙され、その腹の底を見抜けなかった事、正直な三女の誠実な心根を見抜けなかった事を悔いた彼も、失意のうちに死んでいくというストーリーである。 「マクベス」、「ハムレット」、「オセロー」とともに、シェイクスピア四大悲劇の1つに数えられ、その中でも最高傑作と称される作品である。
リア王の評価
リア王の感想
シェイクスピアの傑作
この作品はシェイクスピアの四大悲劇の一つと言われているが、本当に悲劇的なラストを迎える。ラストを迎えた時、私はリア王は人を見る目がなかった人間だったのだな、と感じた。いくら偉くなっても、中身が付いていかなければ国を治める人物としては足りない人物なのだ。しかも、子供を見る目がなかったとは!自身の退位の為に国を長女と次女と三女に分け与えることにしたわけだが、長女と次女がなんとまあことば巧みに父親であるリア王を喜ばせることか!自分の父に対して媚を売る彼女たちは見ていてみっともなかった。ただ一人、冷静な三女を国から追い出してしまったときには、彼の無能さを感じた。長女と次女には簡単に裏切られるが、三女と一緒に追い出された召使が変装してリア王に仕えながら尽力するのだが、、、その甲斐虚しく戦争で三女は殺されてしまうのだ。このラストは、本当に臨場感あふれるものだった。リア王自身は助けられたが、自分の人...この感想を読む
激しい王
言わずと知れたウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇の中でももっとも悲劇的で壮大な話です。国王が三人の娘のうち二人に国を分け与えるところから悲劇が始まります。国王は次第に二人の娘から爪弾きにされてしまい、遂に気が狂って路頭に迷います。そんなに貶めなくてもいいだろというくらいに徹底的に国王は落ちていきます。そのセリフが生々しく、激しくとても心に刺さってきます。もちろん最後は気が狂った末に国王は絶命するのですが、読み終わった後は凄まじい話に圧倒されています。似たような話も当時あったようなのですが、シェイクスピアの作品が選ばれるのはこの激しい心にささるセリフでしょう。