こころのあらすじ/作品解説

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こころ

4.644.64
文章力
4.50
ストーリー
4.30
キャラクター
4.40
設定
4.45
演出
4.35
感想数
14
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48

こころのあらすじ・作品解説

「こころ」は、小説家の夏目漱石により1914年の4月20日から8月11まで朝日新聞上に「心先生の遺書」という題名で連載されていたのが初出で、9月に岩波書店より岩波書店が発刊した初の出版物として発売された長編小説である。その後集英社文庫や岩波文庫などで出版され、2014年の7月31日には新潮文庫での発行部数が700万部を突破した。1955年や連載100周年の2014年のドラマ化、2007年の舞台化など様々なメディアミックス化がされるなど人気が高い。 内容は大きく3つに分かれていて、語り手である「私」が「先生」と出会い交流を深めていく「上先生と私」、故郷に残した父の病が重くなったため帰省した私のもとに先生から届いた分厚い手紙の遺書が届く「中両親と私」、先生の過去の秘密と学生だった頃の先生の学友「K」と先生の奥さん「お嬢さん」を巡る顛末などが描かれる「下先生と遺書」となっている。特に「先生と遺書」は教科書に取り上げられたり、この部分だけ映像化されることがある。

こころの評価

総合評価
4.644.64
(14件)
文章力
4.504.50
ストーリー
4.304.30
キャラクター
4.404.40
設定
4.454.45
演出
4.354.35

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こころの感想

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なにもかも手紙に書いているようで、そこにひそむ先生の暗い欲望

高校の教科書で読んだ思い出高校を卒業してから十年以上経って、夏目漱石の小説を読むようになり、その一冊をどこかで読んだ覚えがあるなと思いだしたのが、高校のころ教科書で目にした、この「こころ」。著者が夏目漱石ということも題名も忘れていたけど、内容はやけに鮮明に覚えていた。それにしても改めて全体を読んで、教科書に載っていたのが、極々一部で、しかもかなり後半だったことに驚かされたもので、でも、妙に納得もした。当時は、一体どういう話なんだと、今一内容を掴みかねたものだから。教科書には一応それまでの、あらすじも書いてあったけど、そもそも主人公と、謎の多い先生との出会い、そのつきあいがあっての、手紙の内容なのだから、そりゃあ、なんの話だともなる。 たしか、Kが下宿先のお嬢さんに気があるような様子が見られはじめてから、自殺するに至るまでの内容だったと思う。そのとき課題で、Kの自殺した理由を考えるものがあっ...この感想を読む

3.53.5
  • イヌダイヌダ
  • 311view
  • 3496文字
PICKUP

こころの考察

西洋の思想と『こころ』夏目漱石のこころは主人公先生の心情が、他の登場人物の心情と食い違っているところを上手に表現した作品である。わたしは、Kが自殺したことに対して、「自分のせいだ」と感じているが、実際のKは、自殺の原因は、自分の信じてきた道と外れたことをしてしまった、つまり恋をすることで、自分の信じた宗教の道徳に反することだと感じてしまったせいなのである。主人公の葛藤、それにともなう登場人物の心情、行動の変化は、夏目漱石でなければ書けない力作だといえる。 しかも、この作品の後半は、先生が、「私」に手紙を書いた長い長い物語なのである。だから、実際Kやお嬢さんの本当の気持ちはわからないままなのである。先生が様々な人物の行動を観察して、相手はきっとこう考えているということを考察しているのである。 私は、この先生の性格が、悩みに影響していると考える。こうやって、自分自身の考えではなく、相手がこうだ...この感想を読む

5.05.0
  • くらうどくらうど
  • 682view
  • 2070文字

やはり万人に薦められる巨匠の名作。

私は一度こころを学生の時読みましたが、最近になり本屋でも目立つように積まれていたので思い出し、巨匠、晩年の名作と呼ばれるこの本を再び開くことを思いつきました。するとこれはどうにも色々な方向から読むことのできる小説でした。もちろん当時の私はきづくはずもなかったのですが。読む人で捉え方が変わる、といわれる小説は多々ありますが、ここまで物語が私によって変わっているとは思いませんでした。そして今回この本を読了するにあたって私に課された問は「人間性」についてでした。「平生はみんな善人であり、それがいざというまぎわに、急に悪人に変わる」作中、先生の台詞です。これが全てを物語っているように感じました。親戚に欺かれた先生は自分こそは立派な人であると思っていたが、ある時自分も裏切られてきた人達と変わらないと言う事を悟り、絶望し、自分不信に陥りそして、自殺してしまう。この先生の苦悩こそ今になっても変わらぬ...この感想を読む

5.05.0
  • kurorokuroro
  • 225view
  • 446文字

感想をもっと見る(14件)

こころの登場キャラクター

先生

よみがな:せんせい

私の父

先生の奥さん

こころの名言

然し君、恋は罪悪ですよ。

先生

先生は私が道で会った男女について冷やかしを吐いたと思い言った台詞。先生の持つ後ろ暗い過去の影が顔を覗かせる場面。

精神的に向上心のない者はばかだ

先生

先生が恋敵となったKに対し、かつて言われたKの新年ともいえる、この言葉を牽制のつもりでそのまま返した。

然し先生は世間が嫌なんでしょう。世間というより近頃では人間が嫌になっているんでしょう。

先生の奥さん

私が先生の家を訪ねて、奥さんと会話しているときの台詞。

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