夏の夜の夢のあらすじ・作品解説
夏の夜の夢はウィリアム・シェイクスピアによって1590年に書かれた喜劇形式の戯曲であり、全5幕からなる物語である。貴族の若者であるハーミアとライサンダーは互いを思い遣っていたが、ハーミアの父親はディミートリアという若者にハーミアを嫁がせようとする。それに反発したハーミアに対し父親は死刑になるかディミートリアと結婚するかどちらかを迫り、ライサンダーとハーミアは夜に抜け出し夏至の夜に要請が集まる森へ向かう、といったところから物語は始まる。 ほかの多くのシェイクスピア作品と同様に映画化・舞台化されており、日本では戦前から小説と同題名にて何度か公演されているが、宝塚歌劇団が1992年の公演で「PUCK」という題名にて演出を小池修一朗、涼風真世主演で公演されている。また、主題歌の「ミッドサマー・イヴ」は松任谷由美が提供し、この公演は後の2014年に宝塚歌劇団「月組」により龍真咲主演により再演されている。
夏の夜の夢の評価
夏の夜の夢の感想
気持ちい作品
シェイクスピアには珍しく話の原典がない、どうもシェイクスピアの完全オリジナルらしい作品です。話は2組のカップルの奇妙な四角関係から始まります。そして、森に迷い込んできた2組のカップルに要請が勘違いで恋の魔法をかけてしまい、話がどんどん転がっていきます。結局、そのおかげで二組のカップルは一番幸せなカップリングとなってこれ以上にないハッピーエンドを迎える、本当に読んでいて気持ちのいい喜劇が描かれています。やはり、作中のキャラクター達のイキイキとした描写や、戯曲らしい妖精たちの魔法による話の展開はすばらしいものがあります。観劇する数時間できっちり完結して気持ちよくなる、そんな劇作です。