でも、人生はまだまだ続くし、憎しみからは何も生まれない
間宮徹信
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間宮兄弟は、江國香織の小説である。2004年9月29日小学館から販売された。 この作者である江國香織は、「きらきらひかる」「冷静と情熱の間」「東京タワー」なので有名な小説化である。2003年「号泣する準備はできていた」で直木賞受賞し、他にもさまざまな賞を受賞しており、日本を代表する小説家である。また小説だけでなく児童文学やエッセイも手掛けている。 この作品は、30代にもなって仲良く同居する兄弟は、女性から恋愛の対象としてみられることななく、ありふれた日常にささやかな喜びを見つけ楽しく生活していたのだか、二人の部屋に女性を招きいれたことから、平凡な日々に微妙な亀裂が入っていき、2人にも恋の予感がおとずれる、といった兄弟愛と複雑な恋愛を描いた作品である。 この作品は2006年には映画化されており、佐々木蔵之助、塚地武雅、常盤貴子、沢尻エリカ、北川景子といった豪華キャストで演じられており、DVD化もされている。
これだけ仲が良い兄弟が居たら、結婚出来ないと思います。兄弟の絆が強過ぎて、間に入って行けないだろうなぁと思います。でも、そんな事は気にしないのが間宮兄弟なのかも。映画を観て、小説を読み、世界観が一緒だなぁと感じ、やっぱり、家族って強いんだろうなぁと感じました。好きな作品です。でも、結婚もしないで、兄弟2人で遊んで暮らして行くのかぁ…と思うと少し切なくなりました。そんなこと間宮兄弟は、きっと全然気にしないんでしょうね。本当に面白い作品です。なかなか、不思議な読み応えのある一冊で、映画でも小説でも世界観が同じで安心感があります。お勧めです。
30歳を過ぎても独身、恋人がいたこともなく、そもそも恋人候補にもなれない間宮兄弟。多分、身近にいたらキモイ!って思っちゃうけど、江国さんが書くとなんだか癒しキャラ。全然行動的ではないけれど、この二人の、暇つぶしの上手さは見習いたい。今の時代、派手でお金がかかって自慢できるような遊びばかりがもてはやされているけれど、間宮兄弟のように、ジグゾーパズルやカレーパーティーで楽しめる心も大事だと思う。社会の情報に惑わされず、自分たちの好きなことをやって楽しく生活していくのは、簡単そうでなかなか難しい。でも幸せって、こうゆうなんでもないことの積み重ねなのかも。
30過ぎても独身のイケてない間宮兄弟。もちろんモテる訳がありません。世間から見たら、オタクっぽかったり、キショかったりする、そんな「イタイ」兄弟をほっこり温かい感じで描いています。間宮兄弟は仕事も趣味も一生懸命です。浴衣を着て花火を楽しみ、カレーパーティで客をもてなし、冬至にはカボチャを食べ、柚を浮かべてお風呂に入る。母親の誕生日は一緒に祝う。週末はジグゾーパズルで夜を明かすなど。2人で誠実で快適に仲良く暮らしています。決して華やかではないけれど、他人の目とか下らないことにしばられず、自分のペースでちゃんと生きていることはとても幸せだと思いました。彼らの部屋はとってもまったりと居心地良さそうなので、私もパーティにおよばれしてみたいな。
間宮徹信
夫から離婚を迫られている人妻に恋をした徹信だったが、まったく相手にされない。夫婦関係が破綻しているにも関わらず、なおも夫に執着し続けようとする人妻に徹信が精一杯告げた別れの言葉。