ハムレットのあらすじ・作品解説
イングランドの劇作家、ウィリアム・シェイクスピアによって書かれたものである。シェイクスピアの四大悲劇のうちの一つで彼の作品としては最も長いものになる。当初は戯曲として書かれたが、小説や映画にもなり、世界的に有名な作品である。岩波書店から2002年に新訳で出版されたこの作品は翻訳の評判も高い。 内容は現王である弟に殺された元デンマークの王が、亡霊となり王子ハムレットに毒殺された事を告げ、復讐を迫る。王子は狂気を装い復讐する事を決めるが家族はオフィーリアへの叶わぬ恋心が狂気の原因だと推測するものの、王子自身は彼女を無下に扱う。ついに現王が暗殺犯だと確信し、復讐しようとするが間違えてオフィーリアの父を殺してしまい、意気消沈した彼女は溺死してしまう。現王とオフィーリアの兄は結託し王子を毒殺しようとするが手違いで現王の妃で、王子の母であるガートルートが死んでしまい、その後にオフィーリア兄と王子自身も毒に侵されて死に行く間、王子は親友に現王を殺し、この物語を語り継ぐように頼むものである。
ハムレットの評価
ハムレットの感想
シェイクスピアの卓越した言い回し
ハムレットを原典で読んで1ページ目でいきなり驚かされてしまった。「Stand and unfold yourself.」と訊ねる箇所が出てくる。これは英語のニュアンスでは自分のすべてをさらけ出せ! と云う意味に近い。ところでシェイクスピアのシェイクスピアンイングリッシュは殆どの人が誤解しているが、彼の日記には正しい英語で文章が書き連ねている。最初に基本をしっかりと履行し、その次に言葉遊びをして、感覚で文章を書いてゆく。それがシェイクスピアの醍醐味であり、彼の著作を読んでいて感心する場所でもある。この最も偉大な精神が残した作品は今なお世界中で絶賛されている。今後彼を超える作家は現れるのだろうか?
さすがの名訳
言わずと知れたウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇のひとつであり、「To be or,not to be.]など名ゼリフが多い名作で誰もが読んだことはなくても触れたことはある作品だと思います。この新潮社文庫版のハムレットでは訳者である福田恆存の名訳が光ります。福田恆存は他のシェイクスピア作品やオスカー・ワイルド、オイディプスなど様々な戯曲の訳を行なっています。半世紀近く昔に書かれたものであるのですが、古さを感じさせず威厳のある言葉のチョイスがシェイクスピアの戯曲のイメージにぴったり合っている気がします。日本人のシェイクスピアのイメージはこの訳によるところが多いのではと感じます。