独白するユニバーサル横メルカトルの評価
独白するユニバーサル横メルカトルの感想
アンチカタルシス
ノーカタルシスなんだこの小説、くそ面白くもねえ、ただ気分悪いだけだし、だいたい短編のくせになんでオチが弱いんだよ……と、読んでみてがっかりした人も多いのではないかと思う本作、「独白するユニバーサル横メルカトル」。実際オチの弱さに関しては、例えこの本のファンであっても否定はしないのではないだろうか。合わない人にはトコトン合わない小説と聞いて、「それってホラーって意味でしょ?それなら、自分大好きでっせ!」と考えて手を出して、首をかしげた方もたくさんいただろう。なんでこんな小説が、このミステリーがすごい!に選ばれるんだろうかと。合う合わないじゃなくて、つまらなくないかと。なぜそんな風にこの小説が言われるのかといえば、結局のところ、「カタルシスがない」の一言に集約されるだろう。短編なのに、ほとんどの物語は淡々と進み、概ね想像通りの形で終わる。オチがひねられていたのは「卵男」くらいではないか。そ...この感想を読む