竹取物語のあらすじ・作品解説
竹取物語は、成立年、作者ともに不詳の日本最古とも言われる物語である。紫式部著の”源氏物語”において”物語出来きはじめの祖”と称されているくだりがある。近年では”かぐや姫”の名で絵本等が出版されている。 この物語は、竹取の翁が光り輝く竹から出てきた女の子を連れ帰り養育したところ、3ヶ月で女の子は美しい姫=かぐや姫に成長し、5人もの貴公子やついには帝の求婚を様々な難問を出した挙句断り、月に帰ってしまう物語である。 2008年には、新潮社より山本周五郎賞や直木三十五賞の受賞作家の江國香織と浮世絵版画の名手・立原位貫の手によって、物語の各シーンを色鮮やかな格調高い版画と、現代人の感覚に沿ったわかりやすい口語訳による作品が出版されている。 物語が成立してから千年以上たっていると思われるにも関わらず、松本零士の漫画のモチーフとされていたり、スタジオジブリの長編アニメーション映画になるなど、様々な作品の原作となっている。
竹取物語の評価
竹取物語の感想
富士山の名前の由来
義務教育の中で初めて勉強する古典。それが「竹取物語」だ。ちなみに、教科書会社によって作品の取り上げている部分が違う。たったの1部分しが勉強していないのだ。さて、「竹取物語」では、富士山の名前の由来に関する話ものっている。かぐや姫に恋心を抱いていた帝は、かぐや姫が月の都に帰った後、かぐや姫が帝へのプレゼントとして残した「不死の薬」を富士山に頂上で燃やすように臣下に言い渡す。なぜ、富士山なのか?なぜなら、日本で一番高い山=天に一番近い場所=かぐや姫に近い場所だからだ。帝は、かぐや姫のいない地上に生きていたって仕方がないという理由で燃やすことを命じる。たくさんの兵士が富士山に登り、薬を燃やす。不死の薬を燃やした場所、不死の音から「富士山」たくさんの(富)兵士(士)が登った場所、漢字を合わせて「富士山」名前の由来の真相は分からないが、古から現代に至るまでの様々な物語を感じることができる。恋しき人...この感想を読む
きっちり全文読むと違う印象
日本人であるならば誰でも、月に帰っていくかぐや姫のロマンスは聞いたことがあるはずです。しかし、意外に古典で全文を読んだ事がある人は少ないのではないでしょうか?実際読み進めてみると、おとぎ話のような絵に描いたようなかぐや姫ではなく、生きた生々しい人間のかぐや姫像があります(月の住人ですが)。このビギナーズクラシック・シリーズはわかりやすく入門できる作りになっています。場面ごとに区切って、訳と原文を載せてくれているのがとてもわかりやすく、雰囲気もつかみやすい。また、途中に挿入されているコラムや解説も面白く、理解を深めていくことができます。この本に監視て言えば訳者の主観が多分に含まれている感じがしますが、全文原文が載っているのでこういう読み取りもできるのかと俯瞰で見ることが出来て気になりません。