ヘヴンの評価
ヘヴンの感想
コジマの人間性は理解しがたい
いじめ描写がリアルこの小説は中学生の男子と女子がそれぞれ学校でいじめにあっていて、仲間という意識を高めて行くわけですが、あくまでも誰もしらないところでの仲間であって実際のいじめのところではお互いを助けるということは最後の最後の部分だけだったからひたすら学校ではいじめのシーンばかりの描写だったからけっこうきつかったです。本の中の半分以上はいじめ描写ではないかというくらいふんだんにいろんないじめが描かれていて恐ろしいです。いまどきなのかどうかしらないですが、証拠を残さないようにいじめるというのは親側の立場として、子供のいじめを早期発見するきっかけがないだけに不安になりました。いじめる側もとくに理由はなくて、そこにたまたまいたからというだけの理由で単なるストレス発散なのだろうけど、罪悪感もまったくないとかどういう風に育てたらそういう神経に育つのかとただただムカムカしていました。ここまでされた...この感想を読む
悲しいけと、美しい
斜視でロンパリと呼ばれている男の子といつも汚い服をきている女の子の話。それぞれいろんな事情があって、そこがきちんと描かれている。すごい純粋で人間らしい。いじめに性的なことが伴うことはよくあると聞く。この作品はそういうところを生々しく描いているから、人によっては気分が悪くなると思う。文章はとても読みやすい。川上未映子は関西弁の作品が多いけど、この作品は標準語だ。川上未映子の小説が苦手だという人にもおすすめ。ラストの数十ページは吸い込まれるように読んだ。話がどこに落ち着くのかとどきどきした。何回も読み直すような本ではないけど、またいつか読み直したい。