猫とあほんだらのあらすじ・作品解説
猫とあほんだら は、町田康の作品で、講談社から2011年5月12日に販売された小説である。 今作品は、猫好きで知られる町田康の視点で、猫との生活することをテーマにして描いており、一度でも猫を飼ったことがあれば、クスっとしたり、思わず苦笑いをしてしまうエピソードが収録されている。また文章と写真で構成されている。 原作者が引越をしようとしたことから始まる。猫10匹と住める家を探しており、新しい物件を見に行くことになった。物件の玄関近くにある庇の下に2匹の子猫が震えているのを見つける。この日は雨が降っていたため雨に濡れていたのである。 寒さで震えている猫二匹を拾い、猫の存在を隠しホテルに泊まったりして面倒を見てやることになる。 条件に近い物件を見つけても始まりに過ぎず、警戒心の強い猫たちが引っ越ししやすいように作戦を立てたり、引越し先で猫たちが生活しやすいようにと改造を施すのだが、猫たちは見向きもしない。 そんな猫たちに原作者が頭を抱えたり、不思議に思ったりする顛末を書いている。
猫とあほんだらの評価
猫とあほんだらの感想
猫好きにはたまらない
前作「猫のあしあと」に続く作品。別に、続きものではないので、「猫のあしあと」を読んでいなくても楽しめる。引っ越す先を決めるときに、たまたま見つけた子猫を拾ったりと、筆者町田康の猫を放っておけない感じ、しっかりとしたお嫁さんなど微笑ましい部分が多い。行方不明になってしまった猫が野生化したり、エピソードは尽きない。読んでいてとても楽しいし、生き物の世話をして暮らす(ペットを飼う)というのがどういうことなのかと考えさせられる。保護していて、人間への警戒心からあまり撫でたりできなかった猫がなくなり、筆者が「毛並みをつるつるにしてあげたかった」と嘆く場面は、泣いてしまった。