俺には俺のやることがあるのだ。俺がやらなければならないことがある。健ちゃんが健ちゃんであるように、俺は俺だ。逃げることも、投げ出すことも、代わることも決してできない。
神谷新二
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すごく話題になった三部作の最終巻ということでそれなりに期待を持って手に取ったのだが、少々アテが外れた感。陸上競技について、とても細やかに、かつ臨場感のある描き方でつづられているのは読んでいて楽しかったし、主人公の描写も良くて、好感が持てるキャラクターだったと思う。陸上にさほど興味が無い人でも物語の中に引っ張り込む文章力のようなものがあって、それはさすが佐藤多佳子作品だなぁ、と思った。それだけに、『えっ、ここで終わり??』と思ってしまった。いろんなことが結構そのままになった状態で物語が終わりを迎えてしまったような。もっと感動したかったとかそういうことじゃないんだけど、、ちょっと肩透かし。
神谷新二
憧れであり、コンプレックでもある将来有望なサッカー選手の兄が事故に遭い、プロにはもうなれないとわかった時の主人公の言葉。