綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキーのあらすじ・作品解説
「綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー」は、推理作家の綾辻行人と有栖川有栖によって書かれた対談集である。 小説ではなく、ミステリーを題材としたアンソロジーのようなもので、2008年7月14日に第1巻が発売され、全3巻で完結となっている。 ミステリー作家の両氏が自分が面白いと思うミステリー作品を取り上げて談議に花を咲かせる。取り上げる作家は国内外問わず様々である。 江戸川乱歩、コナン・ドイル、小松左京、山田風太郎、栗本薫、島田荘司などなど・・・。3巻を通して著名なミステリー作家やその作品が多数紹介されているのでミステリーやサスペンス好きにはたまらない内容だろう。 もともとミステリーが好きな人も、これから読もうと思ってる人もどちらも楽しめるような作りになっている。 第2巻では大学の「公開講座」でライブをしたときのこと、ミステリ以外のことも書かれ、ゲスト作家を交えて対談している。第3巻ではミステリー作家の共通点やルールなどにも言及している。
綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキーの評価
綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキーの感想
気軽なミステリ入門書
新本格派の旗手である、綾辻行人・有栖川有栖の二大巨頭が、ネタバレを交えて推理小説を語るシリーズの3作目。通常、ミステリ談義というものは、もとの作品を知らないとなかなか盛り上がらない。ネタバレをしないままで作品の凄さを伝えることは、かなり難しいからである。本書では、綾辻氏・有栖川氏両名のミステリ談義の中で、議題に取り上げたい作品が挿入されている。ちょうど、ラジオ番組で要所要所に曲が挿入されるのと同じ感覚だ。ミステリ談義をラジオで同じようにするのは無理があるが、本の形式ならそれもたやすい。紙面の都合上、短編作が中心となるが、それでも十分に面白い。こんなミステリ入門書があったらいいな、という感じの本だ。綾辻氏・有栖川氏のトーク部分も面白く、大御所に解説してもらいながらミステリを読める楽しみを味わってほしい。