ハッピーバースデー 命かがやく瞬間(とき)の評価
ハッピーバースデー 命かがやく瞬間(とき)の感想
小説として素直に心を動かされる
登場人物全員がせつない母親から精神的虐待を受けているにも関わらず愛してほしいと思い続けるあすかを筆頭にほぼすべての登場人物になにか悲しい過去や辛い思い出がある。姉が病弱なために両親は自分に愛情を注いでくれなかったと大人になっても考えているあすかの母のシーン。誰もが愛されたいと思っているのだと心にしみた。春野ばかりを愛するばかり静代の事は放ってばかりにしてしまったあすかの祖父母がもっと愛すればよかったと後悔しているように静代もまた数十年後「なぜ生まれた時から愛してあげなかったのだろう」と後悔するのだろうか。そう考えるとまた切ない。キャラクターが在り来りっぽい愛されずに育った母。そんな母親に好まれ、愛されていない妹を嫌う兄。そして必死に愛されようとする主人公。確かに感動はするが、少し在り来りなキャラクター設定のように感じた。精神的虐待をする母親も、愛されていない主人公も確かに感動要素だと感...この感想を読む