美しく悲しい愛の語り部
第二次世界大戦中のエジプト・カイロ。主人公のアルマシーはハンガリー人で伯爵家に生まれた彼は冒険家として英国地理学協会に加わり、サハラ砂漠で地図を作っていました。 ある日、協会のスポンサーとして夫ジェフリーと共に参加していたキャサリンは、夫が英国情報部のあるカイロに戻らず居残っていたため、アルマシーがキャサリンに一目ぼれをします。その後にアルマシーとキャサリンは砂嵐を避けるためジープで夜を明かしますが、そのことがきっかけでアルマシーとキャサリンは愛し合い、逢引を重ねるようになりました。 しかし、二人の逢引もジェフリーの知るところとなり、嫉妬に狂ったジェフリーはアルマシーを殺そうとわざと飛行機をアルマシーが作業をしているところへ飛ばし、助手席に乗っていたキャサリン、アルマシー、ジェフリーは凄惨な飛行機事故を起こします。 その後、アルマシーは全身が焼けただれた状態でイタリアの病院に運び込まれ、病院で知り合ったハナという看護師にキャサリンとの思い出を少しずつ話していきます・・・・・・。 レイフ・ファインズ。結構悪役が多い俳優さんですが、私はこの映画を見て彼のすばらしさを知りました。情熱的だけど落ち着いた佇まいと、愛するキャサリンを見つめる深い眼差しが非常に印象的でした。ほとんどが砂漠の風景の映画ですが、まるでビロードの布のような美しさで、アルマシーとキャサリンの逢瀬を上手に演出していました。 脚本も演出も映像美もすばらしく、忘れられない映画です。アルマシーの最期は号泣ものです。 ちなみにこの映画の原作は「イギリス人の患者」ですが、映画を見ると正しい翻訳は 「英語を話す患者」だと思いました。
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