リプリーのあらすじ・作品解説
リプリーは、原作パトリシア・ハイスミスの同名小説をアンソニー・ミンゲラ監督が脚本も担当し忠実に再現した映画である。製作にはウィリアム・ホーバーグ/トム・スターンバーグ、製作総指揮にはシドニー・ポラックが抜擢されている。キャストにマット・デイモン、グウィネス・パルトローを迎えている。 富豪の放蕩息子ディッキーを連れ戻すために、イタリアに渡った主人公。ディッキーは贅沢な暮らしを送りつつも刺激がないことに不満を持っていたある日、下層階級のトムと出会い、珍しがり、ジャズクラブ・セーリングなどに連れ回して楽しい時間を過ごす。トムはそんな優雅な生活とディッキーとの生活で強い絆ができたと思っていたが、ディッキーにとっては金づるでしかなく…。 2000年第72回アカデミー賞にて助演男優賞・脚色賞・作曲賞・衣装デザイン賞・美術賞にノミネートされ、2000年ゴールデングローブ賞では最優秀作品賞・最優秀主演男優賞などにノミネートされた。
リプリーの評価
リプリーの感想
貧乏人は金持ちの夢を見るが、金持ちは夢に生きている
これはフランス映画のアラン・ドロン主演の太陽がいっぱいのハリウッド版リメイクです、アメリカ版のはゲイ風味が足して有ります。金持ちのぼんぼんの惨いまでの興味の移り変わりに振り回されて、ぼんぼんに無理向いてもらえなくなったら最後だと知ってるからこそ、相手の顔色を伺ってご機嫌取りする様に成るんだけど、そこのコツを知らないリプリーは彼のおもちゃに成って行く。50年代のファッションもすっきりと其れだけでも見る価値があります。とにかく彼が依頼人の息子のアイデンティティを盗み取って変わってしまうのですが、そいう人種の層が決まっているので、世間は狭いと言う状況になってしまいます。一時も心休めなく、こんなところに何故あの時にのあの人がと、一人二役の忙しさと、綱渡りをしているような精神状態で、ぐったりしてしまいます。
狡猾な策略の行方
貧しく学歴も家柄も無い青年が、対照的に金持ちでハンサムでエリートながらドラ息子の青年を連れ戻すように父親から依頼されます。主人公は相手の音楽の趣味から何まで研究し、経歴を偽り、相手に取り入ろうとします。それは途中までは成功するのですが、相手から距離を置かれるようになると、逆に殺害し、取ってかわろうとします。有名なパトリシア・ハイスミスの原作のリメイクですが、イマイチ作風自体に楽しめない陰鬱なものを感じますし、リメイクされた結末も後味が良くありません。映画の描き方自体にもその原因があるように思いますし、リメイクならもっとやりようがあったのでは、という気もします。途中でスリリングさはそこそこあります。
アラン・ドロンが恋しい
太陽がいっぱいのリメイクとのふれこみで観ましたが、リプリーがイモすぎて、どう考えてもディッキー(ジュード・ロウ)になりきるのは無理がありますよ。もうずっと突っ込みながら観ました。太陽がいっぱいではアラン・ドロン演じるリプリーに100%感情移入してハラハラドキドキしましたが、マット・デイモンにはまーったく同情しません。うざいし、コンプレックス丸出しだし、見た目もダサいし、なんかあんまり頭良くなさそうだし、全部行き当たりばったりに見えて、よくこれでここまでできたな・・・と逆に感心した位です。ただ、ジュード・ロウはこの時結構イケメンでした。かなりかっこいいし、役のイメージぴったりといった感じでした。