ぶすの女の子が主人公のファンタジー小説 - きりこについての感想

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小説レビュー数 3,368件

きりこについて

4.254.25
文章力
4.17
ストーリー
3.83
キャラクター
4.50
設定
4.33
演出
4.33
感想数
4
読んだ人
8

ぶすの女の子が主人公のファンタジー小説

4.54.5
文章力
4.5
ストーリー
4.5
キャラクター
4.5
設定
4.5
演出
4.5

「きりこは、ぶすである。」(ぶす、が太字で強調してある!)で始まる小説です。 女の子と、その飼い猫(ラムセス2世)の話なので、ほんわかしたファンタジーを想像すると、あまりの「ぶす」の言葉の多さに驚いてしまいます。いかにぶすか、どうぶすか…書いてあるけど、どうやら想像を絶するぶすらしい、と解るのに、時間はあまりかかりません。 「人は、容れ物ばかりに目がいきがちだけど、中身も大事」という事を、きりこが解るまでを書いてあります。ラムセス2世が、話に入る事により、内容の重さが中和されているような気がします。 中身は、ぐいぐい引き込まれる、面白さで、★を5つ、と行きたいのですが、後半の急いでいる所の展開が、あまりにも綺麗にまとまり過ぎて、この話を、ファンタジー小説にし過ぎている気がして。ごめんなさい、★を0.5だけ減らしました。もう少し現実性が欲しかったなあ。 読後感は、綺麗にまとまっているだけあって、爽やかで、良いです。

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社会という残酷 そこから抜け出す方法はあるか?

容姿という残酷本作にはブスという言葉が数百回出てくる。醜い、とか、ばけもの、という言葉すらある。それも人間の女の子、しかもヒロインであるきりこを表すために、この言葉が使われる。容赦無い小説である。かなり勇気がいる表現だと思う。今の世の中は、このような言葉が使われない方向に動いている。テレビやラジオでは放送禁止用語として厳重注意の箱に入れて扱うし、一般社会でも直接的にこのような言葉を使う人はデリカシーが無い人と思われてしまう。では、このような偏見が無くなったのか?そうではない。それらは単に表に出なくなっただけだ。依然として人は容姿で他人を判断する。顔かたち、スタイルなどのその人の責任下にないもので差別したり、衣服や装飾品を見てその人の社会的位置づけを確認する。容姿が美しく、服装に気を配って身ぎれいにしている人は、安心だと判断して近寄る。それが異性であれば愛の対象の上位にランク付けする。学...この感想を読む

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自分との向き合い方を教えてくれるきりこ

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4.54.5
  • 142142
  • 131view
  • 1029文字

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