ふくわらいのあらすじ/作品解説

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ふくわらい

3.503.50
文章力
3.75
ストーリー
3.75
キャラクター
4.50
設定
3.25
演出
3.75
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ふくわらいの評価

総合評価
3.503.50
(2件)
文章力
3.753.75
ストーリー
3.753.75
キャラクター
4.504.50
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演出
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ふくわらいの感想

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鰐の母親の身にもなって考えられる、自分にこだわらない人の心の自由さ

人より鰐を思いやるのはいかれているのか 定は、守口に父親が死んだときのことを聞かれて、別に苦でもなさそうに語ってやり、その原因となった鰐が、子持ちの母親だったと知った守口に、撃たれた鰐がかわいそうだと、言われても、気分を害さないで同意をする。同席していた編集者は、聞くに耐えられず席を立ってしまうほど、傍からすると、人の親より鰐の母親に同情する守口もそうだが、平然としている定が正気だとは思えないのだろう。が、自分は別に、定の頭がいかれているようには思えなかった。むしろ、親の死でも、そういうふうに受けとめられたらいいと、思った。なんて、考える自分も中々変わっているのかもしれない。たとえば、歴史ものの戦争の映画を観ているときなど、人同士が斬りあうのは平気でも、馬などが傷つけられるのは直視できず「馬がかわいそう」と手で顔を覆うことが多い。そんなとき、たいてい、傍にいる人に「いや、人間でしょ」と...この感想を読む

3.53.5
  • イヌダイヌダ
  • 96view
  • 3574文字
PICKUP

主人公に会いたくなる1冊

私は小説を読んでいるとだいたいその物語の主人公のになった気持ちになりますが、この小説は違いました。主人公である「定」に会いたくなる小説でした。人の肉を食べたことのある定父親が死んだ時も、父の肉を食べることが当たり前だと思い咀嚼した定身体中に刺青を入れ自分の存在を安心する定乳母にだけ甘える25歳の定私は彼女の人に対して丁寧な部分と、反対に自分に対しては雑な部分が好きでした。お風呂に入らなくても平気だし、腕の産毛を剃らないとか化粧をしないとか。「ご飯ちゃんと食べてる?」「うん」「温めて食べてる?」「…うん」「食べてないんだね」というテーとのやり取りもすごく好きでした。でもその反面編集者である定は、担当している作家に対して真正面から向き合い、考えて行動する。それが周りにどう思われても関係ない。馬鹿正直なんですね。私にはそんな付き合い方は出来ない。でもだからこそ「定」は少し変わった作家でも、感謝...この感想を読む

3.53.5
  • きったきった
  • 64view
  • 761文字

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