きりこについての評価
きりこについてについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が4件掲載中です。
各項目の評価分布
きりこについての感想
社会という残酷 そこから抜け出す方法はあるか?
容姿という残酷本作にはブスという言葉が数百回出てくる。醜い、とか、ばけもの、という言葉すらある。それも人間の女の子、しかもヒロインであるきりこを表すために、この言葉が使われる。容赦無い小説である。かなり勇気がいる表現だと思う。今の世の中は、このような言葉が使われない方向に動いている。テレビやラジオでは放送禁止用語として厳重注意の箱に入れて扱うし、一般社会でも直接的にこのような言葉を使う人はデリカシーが無い人と思われてしまう。では、このような偏見が無くなったのか?そうではない。それらは単に表に出なくなっただけだ。依然として人は容姿で他人を判断する。顔かたち、スタイルなどのその人の責任下にないもので差別したり、衣服や装飾品を見てその人の社会的位置づけを確認する。容姿が美しく、服装に気を配って身ぎれいにしている人は、安心だと判断して近寄る。それが異性であれば愛の対象の上位にランク付けする。学...この感想を読む