八日目の蝉のあらすじ/作品解説

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八日目の蝉

4.424.42
文章力
4.33
ストーリー
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キャラクター
3.92
設定
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演出
4.25
感想数
6
読んだ人
28

八日目の蝉のあらすじ・作品解説

八日目の蝉は、2005年11月21日から2006年7月24日まで読売新聞の夕刊に連載された、「母性」をテーマにした角田光代によるサスペンス小説で、誘拐犯の女と誘拐された少女との逃亡劇と、その後の運命を描いている。第二回中央公論文芸賞受賞作品でもある。2010年には、壇れい主演でNHKよりドラマ化され、2011年には、井上真央主演で映画化されている。 不倫相手の子供を身ごもり、堕胎した経験から、子供が産めない体になってしまった希和子は、その不倫相手の妻が出産した赤ちゃんを衝動的に誘拐してしまう。希和子はその赤ちゃんに「薫」と名づけ、逃げ続けてきた小豆島を安住の地と生活していたが、希和子と薫のふたりの幸せな生活は、ある出来事で4年で終わってしまう。その後、大人になった薫(のち恵里菜)の葛藤も描かれている。 紀伊國屋書店の2011年(集計2010年12月~2011年11月)のベストセラーランキングの文庫部門で1位になっている。

八日目の蝉の評価

総合評価
4.424.42
(6件)
文章力
4.334.33
ストーリー
4.334.33
キャラクター
3.923.92
設定
4.424.42
演出
4.254.25

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八日目の蝉の感想

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被害者視点で読む、本作の魅力

倒叙小説としての面白さ本作は、『紙の月』『対岸の彼女』など多くの作品が映像化されるなど、今や人気作家としての地位を確固たるものとした角田光代の作品です。映画化もされた『八日目の蝉』は、そのショッキングな内容から世代性別問わず多くの反響を産みました。この作品は大きく二つに分けられており、前半は不倫相手の子供を誘拐して自分の子供として育てる希和子の視点。後半は幼少時代を誘拐されて育った薫(恵理菜)の視点で描かれています。このように、犯人の視点で描かれる小説は「倒叙小説」と呼ばれ、東野圭吾の『殺人の門』や『容疑者Xの献身』などが有名です。フーダニット(誰がやったか)ではなく、ホワイダニット(なぜやったか)に焦点が当たるため、読者の共感が犯人に向かうことが多いのが特徴です。本作でも、悪人であるはずの希和子がいかに薫を慈しんで育てていたかが詳細に描かれているため、希和子と薫を引き離す警察が悪人に見...この感想を読む

4.54.5
  • ayanemqnayanemqn
  • 156view
  • 2512文字
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八日目の蝉の登場キャラクター

野々宮希和子

安藤千草

八日目の蝉の名言

八日目の蝉は、ほかの蝉には見られなかったものを見られるんだから。見たくないって思うかもしれないけど、でも、ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどにひどいものばかりでもないと、私は思うよ

安藤千草

千草が子供を堕ろそうと悩む主人公にかけた言葉。 多くの蝉は地上に出て7日で死んでしまう。普通からはみ出した8日目を生き抜く勇気を伝えようした言葉。

その子は朝ごはんをまだ食べてないの。

野々宮希和子

誘拐した女の子と親子のように過ごし、警察の目から逃げようとしているところを見つかり、女の子と引き離される。自分が誘拐犯として警察に捕まろうとしているというときに、希和子が叫んだ言葉。自分の心配より、女の子の朝ごはんの心配をしていた希和子。

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