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タイムスリップがテーマの、人情もの
タイムスリップがテーマです…という事は、ＳＦもの？と思いきや、実は人生、人情もの、です。主人公は、秘密を守る事を条件に、１回目５０万円、２回目１００万円、３回目５００万円を払い、タイムスリップ体験をします。最初の２回は、自分の希望する日時へ行きますが、修正しようとする出来事が、ちっちゃい…（笑）です。でも、人間って、意外にそんなものなのかな、とも思いました。途中で、トリックに気付いてしまったけれど、テンポも良く、読後感も爽快で、面白かったです。終盤で、作家である主人公と対談した柔道選手が、「いろいろと失敗したからこそ、今の自分がここにいる。」と言って、主人公も同感しているシーンが、とても良かったです。私も、そう思います。登場人物が、みんな良い人で、心が温まる話でもあります。お勧めです。
ぱきら
タイムトラベルものの真骨頂！？
面白かった！！！主人公は何回も過去に戻って様々なことをやり直すが・・・？実はこれは、正確にはタイムトラベルものではない。この小説が言いたかったのは、『人間、よっぽど取り返しがつかないようなことをしでかさない限り、過去を変える必要なんてない』ということ。これに尽きる。タイムトラベルものをたくさん読んできて、こうまで真逆のことを訴えている小説はあまり見たことが無い。自分の人生はどうだっただろうか、と思う。やり直したいことはあったか？ 後悔して消してしまいたいことは？ でも、様々な積み重ねがあって、今の自分がいる。逆に言えば、この道を通って来なければ、今の自分はいない。そんなことを考えさせてくれる面白い小説だった！
ゆー
