この世界って、理屈なんかぜんぜん通ってないし、親切心もかなり不足している。
中野あゆみ
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1Q84Bookとは、村上春樹による小説。BOOK1,2,3からなる長編小説で、出版元は新潮社。 主人公は、天吾と青豆の二人の少年少女。孤独な幼年期を過ごした者同士惹かれあうが、10歳の時に離ればなれになる。お互いを想いあいながらその後を過ごし、1984年の4月、二人は現実世界とは微妙に異なる世界・1Q84年の世界に迷い込んだ。様々な試練・出来事に遭遇するが、12月に20年ぶりの再会を果たす、というストーリー。 BOOK1,2は、2009年5月に同時発売され、この2作で第63回毎日出版文化賞・芸術部門を受賞した。同年11月の時点でBOOK1,2の発行部数は223万部に達している。続編のBOOK3は、当初2010年の夏に出版される予定だったが早められ、2010年4月に出版されている。 他の村上作品同様、今作品も世界各国で翻訳・出版されており、英訳版は国際IMPACダブリン文学賞にノミネートされている。
魅力的な始まり方なにやら思わせぶりで訳知り顔のタクシードライバーとの会話から始まるこの物語は、冒頭から不思議な魅力となにが起こるのだろうという期待で、勢いこんで読むのではなくもっとじっくり味わいながら読まなくては、とどこか襟を正して向かおうと思うくらいの魅力があった。この物語でよく出てくるヤナーチェクの「シンフォニエッタ」という曲は作者も曲の名前も初めてこの小説で知った。せっかくなので聞いてみようと思い(小説に出てくる曲や映画、小説、料理など試してみようと思うのも、質のいい小説(時にはマンガでも)ならではと思う)、読みながらBGMとして聞いてみた。始めの高らかなファンファーレといい、胸を張ったような行進が目に浮かぶようなグランディオーソともマエストーソとも言うべき威風堂々とした始まり方は、青豆が登場するのにふさわしい音楽のように思われた。少し調べてみたところ、その堂々とした音楽はやはり...この感想を読む
発売当初、ものすごく売れていたし、話題にもなっていた。村上春樹の小説は今までにも何冊か読んでいて、とりあえず読んでみるか、という感じで読んだ。正直、よさがあんまりわからない。いままでの作品と雰囲気とかテーマとかあまりかわらないような気がする。というか、いままでの作品の総まとめみたいな感じがした。説明はいつもどおり、無駄に長く、その割にあまり伝わらない。不必要だろ、って思ってしまう性描写とか、女性の描写の詳しさに鳥肌がたった。どうしてこの作品があんなにはやったのかわからない。村上春樹の本は、世間の人にとって、持っているだけで、読んでいるだけで、文学に精通した、知的な人っぽくなれる、記号としての本になってるんじゃなだろうか。
昔、数ページ読んで挫折したのを、最近リベンジしました。最初のほうは辛かった。面白い、とか先が気になる、とかなかったから。特に事件が起こるわけでもないし、「不思議な世界観だなぁ」なんて思いながら進めていく感じ。BOOK1を読み終えての感想は、・長かった・天吾が村上春樹のようだ(村上春樹本人を知っているわけではないのですが、作者が天吾の心を知り尽くしている感じが見てとれたような気がしたので。完全な推測です。ただ、心理描写がうまいというだけかもしれませんね。)とりあえず、時間をかけながらもBOOK1は読み終わったので、BOOK2も引き続き頑張ろうと思っております。
中野あゆみ
主人公の青豆と二人きりで話しているシーン。
川奈天吾
天吾が二年ぶりに施設に入所している父親に会いに行き、母親について問い詰めるも返事をしない父親に向かって放った言葉。
深田保
主人公・青豆が、自分のいる世界が現実のものなのか、宗教組織のリーダーに問いかけた時に返ってきた言葉。