本と私の個人的な交際の話
さがしもの巡り巡って、角田光代さんの『さがしもの』という本に出合った。本にまつわる幾つかの物語。読書家?と聞かれれば、「はい」とは答えられないし、答えないけれど、まぎれもなく私は本が好き。だから、この『さがしもの』という本は読まなければならない気がした。この本の最後のエッセイの部分を読んで、本と自分のことを話したくなった。本とのつきあいかたは、きっともっといろいろある。書き終わってからそう気づき、私はだれかの話を聞いてみたくなった。その人の本との個人的なおつきあいについて。どのようにして出合い、どのようにして蜜月を過ごし、どのように風変わりな関係であったかを。いつか機会があったら、あなたの話を聞かせてください。本とあなたの、個人的な交際の話を。この本のもともとの名前は、『この本が、世界に存在することに』。このフレーズを読んで頭に浮かんだのは、『あなたが、世界に存在することに』。じんわり...この感想を読む
5.05.0
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