家族の愛情が浮き彫りにされた、ドラマのようなストーリー
6人家族の平凡な日常この作品は、4人姉妹とその両親の日々の日常が書かれている。取り立てて何が起こるでもなく、毎日を普通に生きているその描写は、何も起こらないからこそのリアルに溢れていた。4人姉妹は、長女有子、次女寿子、三女素子、そして末っ子の里々子だ。この物語は末っ子の里々子の目線で語られる。里々子が語る姉たちの個性は地味なようで強烈だ。駆け落ち経験のある有子、作家志望の寿子、物干し台をルーフバルコニーと呼ぶ素子など、それぞれで一本の映画になるのではないかと思うくらい濃厚で、それは私に「若草物語」を思い出させた。メグやジョー、ベス、エイミーの生き生きとした感情描写がそのままこの作品だとは言わないけれど、どこかしら共通点があるように思ったのは事実だ。里々子が抱える、大きくはないけれど小さくはない苦悩里々子が小さな頃、庭でケガをした。出てきた血に驚き、泣いて母親を呼ぶのだが、里々子以上に驚...この感想を読む
2.52.5
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