一人は皆のために、皆は一人のために
アトス、ポルトス、アラミス
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三銃士は、アレクサンドル・デュマ・ペールが書いたフランスの小説で、アニメ化や映画化もされている。日本では、このストーリーが有名であるが、第1部に過ぎず、作品全体の分量の4分の1以下である。続編として、第2部「二十年後」第3部「ブラジュロンヌ子爵」があり、3部作をまとめて「ダルタニアン物語」という。 フランスが舞台で、時は、ルイ13世の治世。フランスの片田舎のガスコーニュ出身のダルタニアンが、銃士になることを夢見て都会のパリに出てきて、タイトルにもなっている、銃士隊で有名なアトス、アラミス、ポルトスの3人の銃士と協力しながら、次々と降りかかる困難を解決していくストーリー。ダルタニアンが銃士になるのは、のちの話である。フィクションだが、ダルタニアンを始めとする実在人物やラ・ロシェル包囲戦などの史実も多く登場する。 「ひとりはみんなの為に、みんなはひとりの為に」という有名な言葉は、この作品が出典である。
Les Trois Mousquetaires(三銃士)この物語でダルタニャンが主人公で出てくるが正に波乱万丈である。先に述べておくがこの書物は当時デュマが新聞に連載物として載せていたものを書物にしたものである。それにしてはあまりに巧いので感嘆してしまう。アトス・ポルトス・アラミスと手を組む前に危うく決闘をしそうに為るところなどがまさにフランス的であり読んでいて年甲斐もなくワクワクしてしまった。少しネタバレに為るがミレディーと云う悪女が三銃士に与えた遺恨はすさまじい。けれども終わりまで本人たちはミレディーの正体に気づかなかったのである。人生とははかなくも面白い。しかしそこには常に復讐と愛情が混じりあった人間たちが棲んでいるのである。
男なら一度は騎士に憧れるものです。そういった夢がつまった一つの原点とも言える作品のひとつではないでしょうか。児童文庫などでも多数出版されていますが、全訳をしっかり読むと結構読み応えがあります。実は日本で言う三銃士は三部構成なのだという事を初めて知りました。読んでいくとやはり、ダルタニアンがかっこいい。漢字をよく見ると銃なのですが、基本的にはほとんど剣でちゃんばらします。そして、周りのキャラクターもなかなか個性的で話に随所で華を添えていきます。剣ひとつで立身出世、男のロマンがあります。話の展開なども軽妙でとても惹きつけられて、どんどん読み進められます。少年の心を思い出される作品です。
アトス、ポルトス、アラミス
物語の盛上り時 友情や闘いの時、皆で剣を揃えて。