しをんのしおりの評価
しをんのしおりの感想
三浦しをんの個性が詰まったエッセイ集
三浦しをんの日常が綴られるエッセイ集『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を、『舟を編む』で本屋大賞を受賞した作家・三浦しをん。流れるような筆致もさることながら、独特の観察力には定評があり、三浦しをんの描くキャラクターたちは総じて個性豊かで面白い。また、なんでもない当たり前の「日常」を「物語」に転化する術に長けており、三浦しをんの手にかかればどんな退屈な日常も物語へ変貌する。そんな才能あふれる女流作家・三浦しをんは、たびたび自らの日常を書き記し、エッセイ集として発表している。新潮社から出ている『しをんのしおり』も、その一冊だ。三浦しをんのエッセイ集は『しをんのしおり』の新潮社だけでなく、光文社文庫や双葉文庫からも発行されている。昨今、文学界において女性作家の存在はとりたてて珍しいものでもないが、これほど多くの出版社でエッセイを連載・出版している作家はさほど多くはない。つまりはそれだけ、三浦し...この感想を読む
妄想がいかに楽しいかよくわかります。
面白すぎる!三浦しをんさんのエッセイ。ニヤニヤしながら思う存分まわりを気にせずに楽しみたい私は家読み専用の一冊です。しをんさんの妄想が暴走というよりも、超暴走!爆走?していて、最初から最後まで笑い所満載でした。特に、京都旅行のときの・・超戦隊ボンサイダーはすごすぎます。設定が細かく複雑で感心してしまします。京都のお寺を見て盆栽ダー・・哲学の道を歩きながらこの話で盛り上がる女同士(笑)お友達の妄想力もすごい。そして、大好きな高倉健さんを妄想話「健さんの日常」繊細に健さんのイメージを守りながら、静かにドラマチック。これだけで長編になりそう。
「人生劇場」よりも、「しをんのしおり」が良いと思う
それぞれ7編ずつを含む、春夏秋冬の章に分かれたエッセイ集です。あとがきと番外編も有り。著者の小説は読んだ事がある気がしますが、エッセイを読むのは、初めてです。小説を読んでいる時から、「もしかして…?」と思っていたけれど、著者は、オタク…というか、今風に言えば、「腐女子」なのですね。それもかなりの重症の。友達と、街を歩いている時、旅行している時、食べ物を食べている時…つまり、いつでも、「腐」の妄想が炸裂しています。私は全くそういう気がないので、とても驚きました。そういうものごとの捉え方もあったのか、と。面白いけど、ちょっとついていけない部分もあったので、★を減らしてしまいました…。著者はかなりの漫画好きらしく、たくさんの漫画の話題が出てきます…あまり漫画を読まないので、ハマれなかったけれど、きっと漫画を知っている人だったら、楽しく読めると思いました。