あんたがそれほど不幸だと言うなら、あたしとあんたの人生をそっくりそのまま入れ替えてあげる。それに抵抗があるうちは、あんたはまだ、世界一吹不幸ってわけじゃない。
桜井由紀
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「死」と接することを求める少女たちこの作品はある少女の遺書から始まる。登場人物たちはすべて高校生の少女たちであるため、この遺書が誰のものかは当然まだわからない。しかし読んでいくと、登場人物たちがうまく絡んでいく湊かなえ作品独特の展開で、どんどんストーリーに引き込まれた。彼女たちに共通することは「死」に接したいという望みだ。そのために人を殺すとかそういうことでなく、人が死ぬところを見たいという思春期特有の生々しいエゴにあふれた望みが彼女らには共通している。「死」を見ることで自分の価値観が変るのではないか、人格に深みが出るのではないか、人と違った発言ができるのではないか。その理由はさまざまだが、少女たちはそれぞれそれを達成するために行動していく。「死」を見ようと行動すると言えば、誰もが「スタンド・バイ・ミー」を思い浮かべると思う。しかしあの映画は「死体を見に行く」という冒険ストーリーである...この感想を読む
桜井由紀
主人公、由紀が「ヨルの綱渡り」という自作小説で書いた言葉。
桜井由紀
由紀が小学生の頃、「ごんぎつね」について感想を順番に発表している最中、泣いてしまい最後まで話すことができなかった。その感想文に由紀が書いていた一言。