それからのあらすじ/作品解説

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それから

4.634.63
文章力
4.88
ストーリー
4.75
キャラクター
4.63
設定
4.63
演出
4.50
感想数
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それからのあらすじ・作品解説

それからとは、夏目漱石の小説。1909年に東京朝日新聞・大阪朝日新聞で連載されていた。 主人公は、実業家を父に持つ代助。不自由ない生活を送り、学校卒業後も仕事に就かず、実家から金をもらって気ままな生活していた。代助の親友である平岡は、銀行に勤務していたがまもなく辞職させられ、生活に困窮していた。代助は平岡を助けようとするが、結婚後に心臓を悪くしていた平岡の妻・三千代に出会う。代助は彼女に心惹かれてしまい、会う機会を重ねていくが…というストーリー。 描かれたテーマや構成などが似通っているため、この作品とほぼ同時期に発表された「三四郎」「門」とともに、夏目漱石の前期三部作と呼ばれている。1985年には松田優作主演で映画化され、第28回ブルーリボン賞監督賞や第9回日本アカデミー賞など、多くの映画賞を受賞した。 2011年、三上延による「ビブリア古書堂の事件手帖」の作中で取り上げられたことにより、再び注目が高まった。

それからの評価

総合評価
4.634.63
(4件)
文章力
4.884.88
ストーリー
4.754.75
キャラクター
4.634.63
設定
4.634.63
演出
4.504.50

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それからの感想

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人間としての未知の倫理、モラルを求めて悪戦苦闘した作家・夏目漱石の「それから」

森鷗外の著作をしばらくぶりに読み終え、今度はかつて貪るように読んだ、森鷗外と並んで文豪と称される夏目漱石が無性に読みたくなり、初期の自然主義と対立した浪漫的な作風の「吾輩は猫である」「坊っちゃん」と学生時代の気分になって読み進み、この2作品ではどうしても消化不良の感じが拭えず、人間としての未知の倫理、モラルを求めて悪戦苦闘した「それから」、「門」、「行人」を再読しました。夏目漱石という作家は、「吾輩は猫である」から始まって、「明暗」に至る彼の文学的な軌跡を辿ってみると、道徳と言う言葉の示すような、何か身動きの取れない、固定的なものではなく、"倫理"とか"モラル"とでも言うような、自分自身で探し求める人間としての"在り様"を文学を通して、生涯追い求めた作家ではないかと思います。中学の英語教師である苦沙弥先生の家に住みついた捨て猫が、この家の家族や、そこに集まって来る"太平の逸民"と称されるインテリ...この感想を読む

5.05.0
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