僕は、女のいないところに行くんだ。
大庭葉蔵
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この本を読もうと思ったきっかけは、人間失格とはどのような意味で捉えているだろうか?と疑問に感じたからでした。 凶悪犯罪を犯しすような、世間から卑劣な行いをした人間を指すのか、何か憎悪を抱くことが起きてしまった相手を指すのか、あるいは自分を卑下しているのか。しかし読んでみると、どれにも当てはまらないものでした。 物語は、主人公がふとした事がきっかけで手に入れた手記を読むところから始まります。その手記を書いた人物が、自らの生い立ちを振り返り、自分を人間失格と言っているのですが、自らを卑下して言っているわけではないと思われるのです。文中「人間で無くなりました」とは、どういうことなのか。人として生きられなくなったとはどういうことなのか。彼の行動は、周囲から見れば自分を追い詰めているように見えるかも知れないが、一生懸命、今を生きていたようにも思えるのです。ただ、嫌なことは嫌だと素直に言えなかっ...この感想を読む
大庭葉蔵
大庭葉蔵は女性と心中図り大庭葉蔵だけ助かり病院のベットで寝ていたら、元召使だった男がやってきて呆れた風に見せる時に大庭葉蔵言ったセリフ。 それだけ何回も繰り返している大庭葉蔵は、女性がいなければ僕は死ぬ事はないと思っていたから出た言葉だと思い、本来なら情けない状態だが、人は誰しも弱い生き物である事を言っているようにも感じる。