僕とおじいちゃんと魔法の塔のあらすじ・作品解説
「僕とおじいちゃんと魔法の塔」は香月日輪による小説で、角川文庫から出版された。2015年時点で6巻まで発売されている。第7巻を構想中の2014年、作者が病死したために未完となった。また亜円堂の作画で、同作品のコミックスが2015年時点で、同じく角川文庫から3巻まで出版されている。 主人公は陣内龍神という平凡な小学校6年生の男の子。退屈な日々を過ごしていた龍神だが、ある日不思議な塔を見つける。その塔は龍神の祖父・秀士郎が暮らしていた場所であり、今も死んだはずの秀士郎が幽霊となり使い魔と一緒に住んでいた。次第に塔に出入りするようになった龍神は、その塔に自分の居場所を見つけ、だんだん成長していく、といったような内容である。 元々はチャレンジキッズ5年生にて2000年1月から12月まで連載されていた「ぼくの幽霊屋敷日記」という作品であり、こちらの1巻は加筆修正が加えられて刊行された。当初は全3巻のはずだったが、第3巻の巻末にて第4巻刊行が告知され、シリーズが続いた。
僕とおじいちゃんと魔法の塔の評価
僕とおじいちゃんと魔法の塔の感想
子供でも1人の人間なんだな。
お化け屋敷と噂される岬にある塔に住んでいる、おじいちゃんと犬。ただし孫である小学6年の龍神にしか見えない、幽霊と魔物のコンビ!というファンタジー色の強い設定のお話です。ただ設定はファンタジーですがその中で扱われるテーマは、私たちの身近にある家族というもの。龍神は、何でもできる弟、勝気で良い子の妹、公務員の父、良い子を望む専業主婦の母の5人家族の長男だけれど家族の中で、漠然と違和感を持ちながら暮らしている男の子。それが塔に出会い、おじいちゃんに出会い、考え自分の居場所を認識して、思い切った行動にでる、というストーリーにつながります。子供を持つ親として、どんなに小さくても子供は1人の人間で、自分の考えを持っていて、親の望み通りにと思うことは傲慢だ、と身につまされる思いをしました。1つ1つのおじいちゃんの言葉が作者の考えを代弁してるのでしょうが多少お説教されているように感じることも。でも、こ...この感想を読む