幸福の黄色いハンカチのあらすじ・作品解説
幸福の黄色いハンカチは、1977年に公開された高倉健主演の日本映画史上に残る名作である。監督は『男はつらいよ』シリーズ、『たそがれ清兵衛』など数多くのヒット作を生み出した名匠・山田洋次。 公開されるや大ヒットを記録し、日本アカデミー賞の主要部門で最優秀賞を独占、さらにはブルーリボン賞、キネマ旬報賞など、その年の多くの映画賞を総なめにし、高い評価を受ける。 この作品は、網走刑務所から出所したばかりの中年男(高倉健)が、偶然出会った若い男女(武田鉄也・桃井かおり)とともに、妻(倍賞千恵子)のもとへ向かうまでを描いたロードムービーである。秘められた過去を持つ中年男が、失っていた自信と愛を取戻していくまでを、北海道の美しい自然とともに追っている。愚直で不器用な男の生き様、夫婦の愛情、人を愛し愛される喜びが描かれ、心に沁みる感動作との呼び声が高い。名優たちが織り成す圧巻の演技が胸を打つ、不朽のラブストーリーとも言われている。
幸福の黄色いハンカチの評価
幸福の黄色いハンカチの感想
風景と人物のカットバックという古典的手法を使い、ひとりの中年男と若い男女がそれぞれの愛を獲得するまでを描いたロード・ムービーの佳作 「幸福の黄色いハンカチ」
「幸福の黄色いハンカチ」は、実に巧みな語り口によって、ごく単純なストーリーを、気持ちよく一気に見せられ、爽やかな感動を味わえるロード・ムービーの佳作だ。ひとりの若者が、北海道の原野を女の子とドライブしたいという夢を実現させるために、東京からフェリーで釧路へ行く。この若者を演じるのは武田鉄矢。彼にとって、この映画は初出演だが、オッチョコチョイだが悪気のない青年を実に達者に演じている。出色のコメディアンぶりで、彼のなりふりかまわぬ楽しい安っぽさによって、湿りがちなこのストーリーが、どれくらい明るくなっているか分からない。この青年が、網走駅前で引っ掛けたのが、桃井かおりの演じるひとり旅の女の子。職場で面白くないことがあって、むしゃくしゃして旅に出ている。そこで、もうひとり、高倉健の演じる島という中年男と出会い、三人で車の旅をすることになるのだ。青年はすぐにでも彼女をモノにしたい。彼女は島を盾...この感想を読む
昭和を代表する名作。やはり名作はいつ観ても名作に違いない
昭和を代表する日本映画の一つですが、今まで観る機会がなく、同名タイトルの元気が出るテレビのワンコーナーしか認識がなかったのですが、たまたま先日友人の家にDVDがあったので暇つぶし程度に視聴してみたのですが、失礼ながら予想を遥かに上回る感動作でした。やはり30年以上昔の作品なので、言い回しとか現代とは微妙にズレがあり、違和感がまったく無いわけではないのですが、現代映画と遜色が無いほどすごく練られていて面白い映画でした。若干武田鉄矢さんの演技がくどくて食傷気味になりますが、むしろこんなくどい男の役のほうが金八先生よりハマリ役なのではないかと思ってしまいました。そしてやはり高倉健さん。渋いとは彼の事を指す為に作られた言葉のようにすら思ってしまうほど。そして今の高倉健さんがこの映画から35年以上経っているとは思えない若さに改めて敬服するのでした。
黄色いハンカチに込められた想い
日本を代表する名監督、山田洋次監督ヒット作の一つと言えば、この作品であろう。「失恋の旅に女性を求めた出た男」、そして、「そんな男にナンパされた一人の女」。更に「辛い過去を生きる元囚人」。そんなトリオによる、3人旅のストーリー。過去を背負い生き続けるそれぞれの人生模様を見事に描き、優しさ、切なさを見事に表現したドラマチックな映画である。さて、タイトルにも登場する「幸せの黄色いハンカチ」そこには、どのような意味が込められているのだろうか。男の純情、そして女との愛情、正に不朽の名作にふさわしい映画だといえるだろう。(1977年10月公開作品)
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