マーズ・アタック!のあらすじ・作品解説
「マーズ・アタック!」はアメリカで制作されたSF映画である。ティム・バートン・プロダクションの制作でワーナー・ブラザーズの配給で1996年12月13日にアメリカで初めて公開された。日本では、翌年1997年の3月20日に公開された。全編で1時間46分の作品で、全世界で興行収入10億ドルを達成するほどの人気を誇っている。監督はティム・バートンが務め、1994年にアメリカ映画協会の生涯功労賞を授与されたジャック・ニコルソンや2010年にゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞しているナタリー・ポートマンらが出演している。また、女優のシルヴィア・シドニーは本作が遺作となった。 ストーリーはUFOの大群が地球の上空に姿を現し、乗っていた火星人が地球人にコンタクトをとってきた。様々な人の思惑が絡み合う中、アメリカ大統領は歓迎のセレモニーを開催する。その最中友好的だった火星人の態度が一変、地球人を光線銃で虐殺し始めてしまう、というもので、火星人がむき出しの脳みそと骸骨のような姿をしているのが特徴である。
マーズ・アタック!の評価
マーズ・アタック!の感想
一級品のB級映画
脳みそ丸出しでおもちゃのようなどこか憎めないけれど、凶悪な火星人とおバカで善良で、間の抜けた地球人との戦い!お金をかけて、計算しつくされて作られたチープでB級な世界は見ごたえ抜群です。ジャック・ニコルソン、グレン・クローズ ダニー・デヴィート、マーティン・ショートサラ・ジェシカ・パーカー、マイケル・J・フォックスなどなど豪華な俳優たちが、おもちゃのような銃で、惜しみなくばんばん殺されてしまうのですが悲壮感などは一切なくて、とにかく気楽に笑いながら見られる映画です。50年代のサブカルチャー的な要素もあって細部にまでこだわったアートワークはキッチュで憧れちゃいます。
無慈悲な火星人
ある日、地球は火星人の訪問を受けます。火星人に対して地球人は友好的姿勢で迎えるのですがそんな地球人の態度など関係なく火星人は無慈悲な殺人光線で次々と地球人をガイコツと化していく、こう書くとオドロオドロしいかも知れませんがそんな様子が面白・可笑しく描かれているSFコメディー映画です。火星人から見ると地球人など、ちょうど地球人から見るゴキプリとまったく同じだったのかも知れません。地球人の考えなど火星人には眼中にありません。とにかく小気味良くさえ感じられるほど地球人は火星人に倒されていきます。この映画は肩に力を入れることなく気軽に見られるヒマ潰しにはピッタリの映画だと思います。
お気軽に見られるSFコメディー
火星人襲来とか異星人来襲とかいうテーマは結構昔からあるB級SFのテーマなんですが、この映画にはティムバートン監督のそういうB級映画に対するオマージュがたっぷりと込められています。 米国では公開時には不評に終わった作品ですが、ユニークな宇宙人の造形や馬鹿馬鹿しさからカルト的な人気もあり、週末気軽に見る映画としても評価出来ると思います。 内容的には結構シニカルな部分も有り、例えば宇宙人とのコンタクトの影響から始まる人々が右往左往する物語や、宇宙人との友好を掲げて歓迎する人たちが真っ先に被害者になったり、宇宙人が所構わず無法を行う様は、異文化にさらされた米国を象徴する一つの形になっている解釈が出来たりします。