ファーゴのあらすじ・作品解説
ファーゴは、1997年第69回アカデミー賞「主演女優賞」「脚本賞」受賞、作品賞・監督賞等5部門ノミネート、1997年第54回ゴールデングローブ賞「最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)・最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル)」等4部門ノミネート、1996年第49回カンヌ国際映画祭にて「コンペティション部門」「監督賞」受賞した、ジョエル・コーエン監督の映画である。 厚い雪に覆われたミネソタ州。自動車ディーラーのジェリーは多額の借金を抱えていた。ジェリーの妻であるジーンの父親はとても裕福であったため、ジェリーは妻のジェーンを偽装誘拐し身代金を騙し取る計画を企てるが、誘拐を請け負った2人の男が警官と目撃者を射殺してしまう…。 マージ・ガンダーソン:フランシス・マクドーマンド、ジェローム・”ジェリー”・ランディガード:ウィリアム:H・メイシー、カール・ショウォルター:スティーヴ・ブシェミがキャスティングされた。
ファーゴの評価
ファーゴの感想
白い、閉ざされた風景の中で小さな狂気が膨れあがっていく陰惨さとユーモア、錯綜と悲哀を描いた秀作 「ファーゴ」
ジョエル・コーエン監督の「ファーゴ」のアメリカでのキャッチ・コピーは"homespun murder"ということだそうだ。つまり"田舎者の殺人者"というわけだ。なるほどこの映画の舞台になっている、ミネソタ州とその隣のノース・ダコタ州は、アメリカの中でも"田舎"なのだ。存在感が薄い。人口は少なく、ミネソタ州の州都ミネアポリスでも、人工はせいぜい40万人ほどだ。隣のノース・ダコタ州はさらに人口は少なく、この映画のタイトルになっている、州で一番大きな町ファーゴの人口は、わずか6万人ほどだという。つまりは、アメリカの僻地といってもいい。おまけに、ここは冬は雪に閉ざされ、零下十何度の寒さの中で、人間は小さくなって暮らさなければならないのだ。そのために、広々とした平原の中に住んでいるのに、開放感が全くないのだ。「ファーゴ」という映画は、このミネソタ州とノース・ダコタ州という土地や風景を抜きにしては語れない、まさに"homespun...この感想を読む
悪は露見する
アメリカの小さな街でカーディーラーに務める男が、借金に困って身内を犠牲にして犯罪を行う計画を立てます。前科者を雇って妻を誘拐させ、妻の父であり会社の責任者でもある男から身代金を引き出すという計画です。本当は事業計画で義父から金を引き出す計画だったのが、いまいち信用されていないために不可能であり、非合法手段に訴えるのですが、状況が暗転に次ぐ暗転を重ねます。 この映画は最終的には陰惨な結末も含む破滅的に結果に終わりますが、そうした経過が主に楽しませる部分となっています。予想外のことが次々に起き、前科者たちの愚かなやり口といい、どうなるかといった興味がもてます。 最終的に調査を勧めていた警察の女性が、ささやかな金で喜んでいる画家の夫の幸せを噛み締めてるあたりがこの作品の言いたかったことだろうかと推測してしまいました。
閑静な田舎の猟奇的事件
コーエン兄弟が手がけた犯罪映画。兄のジョエル・コーエンの妻、フランシス・マクドーマンドが主演を務め、アカデミー主演女優賞に輝いている。アメリカの小さな地方都市ファーゴで計画された狂言誘拐が陰惨な事件へと発展していくのを描く。「小さなきっかけと深刻な結末」というコーエン兄弟が得意なストーリー展開が見られる作品であり、これはその中でも最も完成度が高いもののひとつであろう。これに並ぶのは『バーバー』か。その描写は「よくできたニュースの再現映像」とでも言えるような淡々とした非劇的なものであり、それが故に日常的な要因(特にウィリアム・H・メイシー演じる父親の小市民的な動機)と非日常的な展開(凄惨なスプラッタなど)が何の違和感もなく同居している。マクドーマンドの普通の女性警察官のような抑制の効いた演技が高く評価されたのは、それがこの客観的な視点を維持した映画によく調和したからだろうか。
ファーゴに関連するタグ
ファーゴを観た人はこんな映画も観ています
- 俳優
- ジャック・ニコルソン、他
- 監督
- スタンリー・キューブリック、他
- 俳優
- ジャック・ニコルソン、他
- 俳優
- ロバート・デ・ニーロ、他
- 俳優
- マシュー・モディン、他
- 俳優
- マルコム・マクドウェル、他
- 前へ
- 次へ