世之介のことを今でも思い出す。
この小説は、映画「横道世之介」を観た後に読みました。映画が素晴らしく印象に残り、映画が終わった時、もう世之介に会えないのか…と思うと妙に寂しくて、世之介に会いたいという思いでこの小説を手に取りました。 映画ではなかなか汲みとれなかった、世之介をはじめ、祥子ちゃん・加藤・千春さん・倉持などの登場人物の心の中を垣間見れて満足です。特に世之介以外が、ふと世之介を思い出して過去を振り返る時、それぞれの世之介への想いがあって涙が溢れました。 小説は、たった1年間の世之介の物語ですが、四季の移り変わりや、時間の経過とともに変化していく主人公の成長っぷりは、微笑ましい。 そして世之介の周りにいたみんなの現在と過去が交錯して、この小説に描かれていない時代に何があったのかを想起させられました。 誰にでもあるだろう懐かしい思い出。きっと、誰かを思い出すと思う。そして、温かい気持ちになると思う。私も世之介の友達の一人になれたような、そんな気がするのは気のせいでしょうか。
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