言葉は、言葉を生み出す心は、権威や権力とはまったく無縁な、自由なものなのです。
松本先生
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舟を編むは2011年9月16日、光文社より刊行された、三浦しおんによる小説である。 書店員が選んだ、いちばん!売りたい本、2012年本屋大賞第1位を獲得し、2012年時点で累計100万部を突破したベストセラーである。 出版社の営業部で変人扱いされていた馬締光也が辞書編集部に配属され、定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に興味を持ち始めるチャラ男などの個性的な面々に、辞書を編む仲間として迎えられ、新しい辞書『大渡海』の編纂に手腕を発揮していく。辞書の世界に没頭する日々の中で、運命の女性にも出会う事になる。 2013年4月、石井裕也監督、松田龍平主演により映画化され、松竹/アスミック・エースの配給により公開された。映画は第37回日本アカデミー賞、最優秀作品賞ほか監督賞、主演男優賞、脚本賞、録音賞、編集賞の6部門で最優秀賞を受賞した。2014年3月には第86回米国アカデミー賞外国語映画部門の日本代表作品に選ばれ、石井裕也監督は史上最年少の30歳でノミネートされた。
三浦しをんの名を一気に押し上げた、本屋大賞受賞作『舟を編む』は、一躍作家・三浦しをんの名を世に広めた作品であろう。もっと詳しく語るなら、それまではちょっとした文学好きやライト層に名を知られていた三浦しをんの存在を、「本を普段読まない層」にまで認知させた作品なのである。この作品は本屋大賞を受賞するに至り、舞台化された名作『風が強く吹いている』や直木賞受賞作の『まほろ駅前多田便利軒』と並び、三浦しをんの代表作とされている。そもそも本屋大賞は、どういった立ち位置にあるのか。そもそも文芸書というものには、さまざまな賞が存在しているのは誰もが知っているだろう。芥川、直木賞はもとより、山本周五郎賞や山田風太郎賞など、角川ホラー大賞にアガサ・クリスティー賞など、挙げればキリがないほどだ。そのなかで、2004年という近年に設立された本屋大賞は、「書店員が選んだ面白い本」がもととなっている。つまり選考委...この感想を読む
辞書というものを使ったことは、もちろんありますがこれを作るのに、たくさんの人が関わってこんなに大変な作業を経て出来上がるというのはまったく考えたことがありませんでした。10年以上も1つの想いを胸に突き進むというのは一体どんな感じなんだろう。みんな何か変だけど惹きつけられる登場人物達のたくさんの情熱と知識と時間と地道さ、真面目さなどを集結させて辞書を作り上げていく過程が、テンポ良く、面白く読めました。すごく引き込まれました。この本を読んでから言葉というものを大事にしたくなりました。そして辞書を読み物として読んでみたくなりました。
辞書を作っている人がいる。 そんなこと、今まで一度も考えていませんでした。辞書を作るのに莫大な時間と労力が必要なことも、まったく知りませんでした。 「舟を編む」というタイトルがまず秀逸ですが、内容も素晴らしかったです。 主人公のマジメさん。キャラ立ってます。純粋すぎて、面白みがなさすぎて、逆に面白い。 15年という長い歳月を描いていますが、終盤で辞書が出来上がったときの達成感は、読んでいたわたしも感じてしまったくらいです。『やったー!』って。 今まで触れたことのない辞書というテーマで、最初は『へー。出版社にそんな部署あるんだなー』くらいの感じで読んでいましたが、途中からぐんぐん惹き込まれました。 さすが、三浦しおんさんです。
よみがな:にしおかまさし 年齢(作品時):27歳 性別:男性 国籍:日本 所属:玄武書房辞書編集部 性格:軽薄でチャラい 特徴:入社五年目 職業:辞書編集 能力:社交的で対人折衝能力が非常に高い 部署:宣伝広告部に異動になる
よみがな:まじめみつや 年齢(作品時):27歳 性別:男性 国籍:日本 住まい:「早雲荘」という下宿 所属:玄武書房 特徴:対人コミュニケーション能力の低さから厄介者扱いを受けていた 職業:辞書編集部員 両親:和歌山出身 配属:入社当初は第一営業部に配属される
松本先生
日本では公的に編纂された辞書がないという話題の中で、公的資金がないことで権威づけや支配むしろ良かったという会話。
松本先生
辞書作りが終わり、まとめに入った箇所。辞書や言葉のすばらしさを語るシーン。