横道世之介のあらすじ・作品解説
横道世之介は2008年4月から2009年3月まで毎日新聞にて連載された吉田修一著の小説である。 2009年9月に毎日新聞社より単行本が刊行され、2013年2月には沖田修一監督、主人公に高良健吾、ヒロイン吉高由里子で映画化されている。また、同小説は2010年に柴田錬三郎賞を受賞、本屋大賞3位に入賞している。 ストーリーは長崎県の港町で生まれ育った世之介は進学を機に上京する。 どこか図々しくもありながら頼まれた事は何でも引き受けてしまう性格で、愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さを持っていて、周囲の人間を引き付ける魅力がある人物である。 そして彼の周りを取り巻く社長令嬢で世間知らずなガールフレンド与謝野祥子、大学の友人倉持一平、加藤雄介、憧れの年上女性、片瀬千春など周りを取り巻きながら展開する青春物語の金字塔である。 そしてこの物語は20年後に世之介の事をそれぞれの人物が回想する描写が作品に変化と厚みを持たせている。
横道世之介の評価
横道世之介の感想
吉田修一☆最高傑作
吉田修一さんの中で一番大好きな作品です。呑気で人懐っこいお人好しの横道世之介。ホントにどこにでもいそいうなフツーの大学生のなんでもない日常のお話です。彼と出会った人々の20年後も描かれており、「そーいえば、横道世之介ってやつがいたよな〜」と頭の片隅にほんわりと残っていて、なんとなく思い出して、優しい気持ちになれる。出会ったからいって、人生が変わるわけではないけど、ちょっぴり嬉しい気分になれる。それが、横道世之介。ちょうど昭和の終わりの頃の空気が漂っていて、なんとなく懐かしく感じながら読みました。読後はじんわり涙が出て、世之介を愛おしく思う気持ちでいっぱいになりました。
キャラクターが皆かわいいです
ネットで応募した試写会に当選したため、映画を観に行ってきました。吉田修一さんの作品はもともとすきなのですが、本作はまだ手にとっていませんでした。 映画を観た帰り、本屋さんで買ってしまいました! 家に着いてから読み始めて、日付がかわるころにはとても清々しく前向きな気持ちになりました。 主人公の世之介のキャラクターがまず素晴らしかったです。本当にかわいい!憎めない!映画では高良健吾さんが演じていましたが、まさにはまり役だと思いました。 作品全体を通してテンポがよく進んでいくので、ページを進める手も自然と早まってしまい、はやく次のページが読みたい、と思いながら読み終えました。 すごく面白かったです。
世之介に会いたくなりました。
20年前に大学生になった横道世之介。彼のことを評するなら、普通の人、でもいい人。大きな出来事があって起承転結という話ではないのですが彼の大学生活を知っていくと、不思議と惹かれる魅力があることに気づきます。そして、どんどん引き込まれていきます。淡々と話が進むのでスルスルと読めます。読み終わったら、世之介に会いたいなって思います。こんなひと、普通の人なのに、いそうでいない。だから余計に惹かれるのかもしれません。しばらくすると、また世之介に会いたくなって本を開きます。手元に置いておきたい1冊です。映画化もされているので、それも見て、もう1度読み直したいなと思います。