はっきり言って良いのは表紙装丁だけ
「八日目の蝉」で角田光代を知って2冊目で読むとたぶんがっかり角田光代とは「八日目の蝉」をドラマで見て良い作品だな、という出会いだった。その後原作を読み、文章も上手そうだしいくつか読んでみるか、と思って手に取ったのがこの作品だった。で、正直はっきりとがっかりした。そもそも短編集とも知らず読みだしたのがまずかった。「おみちゆき」が導入で、「同窓会」は話が続いている前提で読んでいたのだ。そうと考えれば全く無理が無いと思う。「おみちゆき」の後半で登場する征夫の息子がてっきり「同窓会」の亮一かと思ってしまったのだ。そう考えて再読してほしい。たぶん誰もが納得するだろう。征夫の息子=亮一が祭りでの幼児体験で闇に恐怖を感じるようになった。そしてそのまま成長し、一見幸せに暮らしているが、「おみちゆき」の怪事を発端とする恐怖に巻き込まれていく、という勝手な恐怖。その上始末が悪い事に「かなたの子」として読ん...この感想を読む
1.51.5
PICKUP