とにかく読んで!
とにかく読んでほしい一冊です。
文体は森見さん特有の高尚な文体ながら、書いてあるのは京都に住む「タヌキ」の話。
森見さんの書くタヌキは、化けるのが大好き、いたずら大好き、そして登場人物、誰も彼もがまごうことなき阿呆です。
物語の舞台は京都下鴨神社、糺ノ森。主人公(タヌキ)の矢三郎の父は、「金曜日倶楽部」にタヌキ鍋にされてしまいます。
その偉大だった父は、タヌキの四兄弟に平等に能力をわけました。
長男矢一郎には真面目さを、矢二郎には愉快さを、矢三郎には阿呆さを、そして矢四郎には臆病さを。
その愛すべき「毛玉」たち家族の奮闘と、それをとりまくタヌキや奇想天外な天狗が関わってくる
不思議ワールド全開の物語ながら、わいわいがやがやの話かと思えば、大どんでん返し、
ホロリと泣ける家族の話も入っています。
読んでいて思わずガッツポーズしてしまうシーンもあったりして、爽やかな読了感はピカイチです。
森見さんの世界観は、万物に魂が宿っている日本の「アニミズム」精神が盛り込まれていると思いますが
その真骨頂と言ってもいいでしょう。
この本を読んでからというもの、自分は猫や犬にも「魂」が宿っていて、人間界のことを
面白おかしく見ているのではないかと思うようになりました。
笑えて、泣けて、忙しい一冊です。
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