レキシントンの幽霊のあらすじ/作品解説

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レキシントンの幽霊

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文章力
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ストーリー
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キャラクター
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設定
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演出
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レキシントンの幽霊のあらすじ・作品解説

『レキシントンの幽霊』は1996年に「群像」に掲載された村上春樹による短編小説である。これを表題作とする短編集も同年に文藝春秋より刊行されており、その際には雑誌掲載時のものに加筆修正されたバージョンが収録された。2014年に三省堂『精選現代文B』など高校の国語の教科書に採用された作品である。 この物語はフィクションでありながら作者自身の体験を基に作られた話であり、マサチューセッツ州に暮らす「僕」が読者に語りかけるような口調で進んでいく。マサチューセッツ州に住むようになって2年ばかり過ぎた頃、「僕」は建築士のケイシーという男と知り合いになる。ケイシーはボストン郊外のレキシントンに住んでおり、ある日1週間ほど家を空けるから、と「僕」は留守番を頼まれる。「僕」はケイシーの持つレコードコレクションに興味があったので快くこれを受け入れるが、留守番初日の夜に誰もいないはずの階下から人のざわめく気配を感じ、1階の居間へ降りていくとそこでは得たいの知れない人々のパーティーが行われていた…。

レキシントンの幽霊の評価

総合評価
4.384.38
(4件)
文章力
4.254.25
ストーリー
4.134.13
キャラクター
4.004.00
設定
4.634.63
演出
4.504.50

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レキシントンの幽霊の感想

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-----短編------

村上春樹の短編はどれをとってもハイクオリティです。独特の世界観にいつのまにか引き込まれていきます。本のタイトルに『レキシントンの幽霊』を選んだり、「底無しの怖さを秘めた七つの短編を収録」と紹介したりしていますが、そのようなホラーじみた作品集ではありません。全体を通して感じられるのは「孤独感」です一番印象に残ったのは「沈黙」と「七番目の男」だった。人の悪意ほど恐ろしいものはない。一人の人間の悪意が多くの人たちを動かしていく。そしてその悪意が特定の人間に向けられたとき、悲劇が始まる。「七番目の男」の主人公は、少年の頃に親友と海を見に行くが、突然の大波に親友をさらわれてしまう。迫りくる大波から親友を助けることができたかも知れないのに、彼は恐怖にかられて自分だけ逃げてしまった。以降、彼は波の恐怖と自責の念にさいなまれながら生きていくことを強いられる。それから、「氷男」の悲しさと、「トニー滝谷」...この感想を読む

4.54.5
  • 黝璽黝璽
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  • 427文字

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