私は美しい
鈴原美帆
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モンスターは2010年幻冬舎から出版された百田尚樹著のミステリー小説である。 瀬戸内海の小さな町に現れた美女、鈴原美帆はレストランを経営しながらある男性を待ち続けていた。かつてこの町に住み、誰もがその容姿を忌み嫌っていた醜女だとも知らずに町の男たちは彼女に夢中になる。ある事件を起こし町を出た後の壮絶な生き様と莫大な金額をかけて整形を繰り返す心の闇、全ての美を手に入れたはずなのに過去の復讐にとらわれる姿を描いた作品である。何もかも手に入れたはずの美帆を待ち受ける衝撃のラストは、読む者に様々な感情を抱かせるものとなっている。また、男女で捉え方が違うというのも特徴的な作品である。 2013年に映画化され公開されたこともあり、映画の公開後には文庫本の発行部数が100万部を超えた。 主演は高岡早紀でロケは瀬戸内海ではなく伊豆で行われた。 「永遠の0」の著者でもある百田尚樹の小説とあり、話題になった作品でもある。
百田尚樹さんらしくない・・というと失礼かもしれませんが、私にはいまだ「永遠のゼロ」や「海賊と呼ばれた男」と執筆した人と同じ人が書いた作品とは、信じられません。文章表現や、人物描写は言うまでもなくうまいです。その意味で、とても引き込まれます。ですが、内容に深みがない。。容姿が醜い主人公が整形を繰り返して美女になり、昔から好きだった男を振り向かせる…っていう、特に意外性もない、ありがちな話でした。ただ、百田さんはこんな作品もかけるんだな、という意味での意外性は見えた気がします。ハチが主人公の話もあるし、幅の広い、飽きない作家さんだなぁと思います。
永遠のゼロを読んで感動し、百田さんの他の本を読みたくなり、迷わず購入しました。しかし、この話はとても後味が良くない話でした。あまりにも醜い女性が、その顔の為に壮絶で悲しい経験をしてきた話に、心が苦しくなったものの、同じような表現の文体が続き、飽き飽き…といった感もありました。整形美人になって、かつて自分をいじめた人に復讐をする、好きな人に振り向いてもらう、などストーリー展開が単純でした。最終的に、本当に自分を理解して愛情をささげてくれる人がいる事に気づき、それが唯一の感動の場面かもしれませんが、永遠のゼロほどの驚きや感動も無く、私には薄い話に感じました。
すごく不細工にというより醜く生まれた女性が、整形に目覚め究極の美女に変身し、最愛の人に愛されたいと願うストーリー。あまりにも不細工に生まれたことで、いじめられ就職もできず、不遇な人生。確かに社会では美男美女が得をするようにできていると思う。私も美人に生まれたかったと幼少のころ思ってた時期があった。でも美人は美人なりに苦労もあるかもと年をとるごとに、思うようにもなった。主人公の和子はかわいそうなほど醜い顔立ち。それが整形によって少しずつ美しくなっていくのは、気持ちが良かった。美しくなるほどに仕事もなにもかもうまくいくとは、世の常なのだろうか。しかし、人は見た目だけではないと思わせてくれる場面もあり、救われる思いもした。
よみがな:たぶちかずこ 年齢(作品時):38歳 性別:女性 国籍:日本 特徴:畸形的な醜さで生まれた 物語上での目的:次々と整形を繰り返し、自分の理想の顔をつくりあげていく 職業:風俗嬢 別名:鈴原 未帆 外見:不細工という言葉では軽すぎるほど 生い立ち:実の母親にすら「ブス」と罵られながら育った
よみがな:たかぎえいすけ 身長:高い 性別:男性 国籍:日本 住まい:2年前からニューヨーク在住 所属:K興産 特徴:美形 学歴:地元の国立大学卒業 勉強:トップ 顔:細面で綺麗
鈴原美帆
整形を繰り返し、絶世の美女となったときに、好きだった男が会いにきたとき。緊張しながらも、自分に言い聞かせるように言った言葉
大橋信夫
誰もが振り返るような美人(未帆)を嫁にもらったが浮気をし、発覚。未帆は美人だが家庭的でなかったため未帆ができない"普通"をなんなくこなした美人でない女性も浮気に走った大橋が言った台詞。美人であるだけでは足りなかった大橋。ありきたりではあるが、とびきりの美人であっても夫婦生活を共にしていくためには外見だけでは上手くいかないという気持ちが詰まった一言。
田淵和子
主人公が務めている製本会社の工場長に、美容整形を咎められた時